林 美智子 Michiko Hayashi (メゾ・ソプラノ)

<公演後コメント>
この度の演奏会は、とりわけ「ローム ミュージック フレンズ」の絆と尊さを実感できたとても素敵な感謝深まる演奏会でした。こうしてロームにさまざまな形でお世話になり御縁をいただき、今も尚、研鑽を積みながら頑張っている音楽家、同志たちが一同に集まり一つのフェスティバルが創造されて行く。そこには地元の皆様のご支援もあり、全スタッフ、関係者の皆様も各会場を駆け回りながらの頼もしいご活躍、一つひとつの心ある対応に胸が熱くなった瞬間も!
これはこのローム ミュージック フェスティバルの何よりも大きな誇りであると思います。 この確固たる信念を貫きながら「ロームにしか出来ないフェスティバル」を末永く続けて行って欲しいと心から感じました。
2016年から始まったフェスティバル。挑戦、試行錯誤を重ねながら、だんだんと土台ができ、形となって行くことと思われます。コツコツと更なる向上を目指しながら継続し、これからこのフェスティバルが10年後20年後には、音楽界のみならずもっと大きな意味での、多くの人々一人ひとりの人生においてなくてはならないものと成って行くことを心から願い、私もまだまだ頑張らねば!と大きな励みと希望をいただきました。 一度に大きなことを成すことを考えるのではなく、良きものを長く維持していく、絶えない様コツコツと続けて行く、そしていつも誰かに、何かに必要とされるローム ミュージック フェスティバルになって行って欲しいです。
自らもローム ミュージック フレンズとして、変わらず日々努力精進してまいりたいと思います!

<出演にあたってのコメント>
つい最近まで自分はまだまだ新人だと思い込んでいたのが、いつの間にか中堅らしき?(笑)年齢になってしまい、ますます頑張って精進せねばと日々励んでいる毎日です!一生勉強ですから。歳を重ね独り身から結婚、母になり〜など、人生はさまざまな形で変化していきます。仕事の内容も同様、歳とともに若いころとは違った役割になって来ます。ひとつ山を越えてもまたひとつ次の山がやって来て…と、もうダメか、という様な崖っぷちに立たされることもあります。しかし!苦労はあっても努力を怠らず、喜びを持って日々向上していけることが、自分の器を更に大きくしていただける大切な道のりです。人間です、疲れた時は充分に休んで、そしてまた元気に頑張る!挫けそうな時には負けないぞ!と、心の切り替え立て直しを繰り返し、自らを反省して失敗を恐れず常にチャレンジしていく。沢山の失敗を重ねていくことの尊さは、5年、10年後の自分に大きな力を与えてくれます。常に自分の心に正直に、そしてその真心を音楽に捧げていける真意とは、自分の専門だけを勉強していく、という狭い視野から、自分の人生そのものを音楽に反映させていく、という境涯に。音楽があって人生がある、のでは無く、人はそれぞれ、その人にしかない人生があるからこそ、そこにその人の音楽があるのだ、という境涯に変化していくのだと思います。そして、そこからがまた新たな出発であり、さらに音の真髄を深めていける鍵となる。日々の生活の中での努力を怠らず、誠実に音楽と向き合っていけば、歳を経て確実に心が成長し表現や音色が深まると感じています。若いころに分からなかったこと、感じられなかったこと、さまざまなことが歳を経ていく過程で気付いていける。その心の、人としての成長の過程を、常に歌を通して表現していける様、その楽器となる自らを常に鍛えて、衰えない様、コツコツと努力精進して参ります!若い人たちにしかできない演奏がある様に、歳を経て経験を積んだ者にしかできない演奏もあります。若き才能のある方々が、挫けそうになった時、崖っぷちに立った時に、こんな歳でもまだまだ頑張って諦めずチャレンジしているんだよ、衰えない様、努力し続けているのだよ、と胸を張って言える様、一つ一つの演奏に精魂込めて向きあっていけたらと思っています。と言っても!まだまだ私も45歳の中堅!笑
これからの人生、またどの様な変化をしていくのか…歳を経ていくことが楽しみで仕方ありません!
音楽家の長い道程を支え、音楽家の人生とともに歩んでくれる、それが正にローム ミュージック ファンデーション様の真髄だと思います。常に私たち音楽家の土台となり、道を開いてくださるローム ミュージック ファンデーション様に心からの感謝の気持ちを込めて。

©Toru Hiraiwa