楽器は大きく4つに分類されます。どの楽器も個性的な音色を持ち、どのひとつが欠けても豊かで厚みのある演奏は成り立たないといわれます。オーケストラを統率する役職をコンサートマスターと呼び、一般には第1ヴァイオリンの首席奏者が担います。
ヴァイオリン
楽器の女王と呼ばれ、明るく華やかな音色です。主要な旋律を奏でることが多く、中心的な役割を果たします。高音域を担当する第1ヴァイオリン、それ以外を受け持つ第2ヴァイオリンに分かれます。
ヴィオラ
ヴァイオリンよりひとまわり大きい弦楽器です。オーケストラでは第1、第2ヴァイオリンと、低音のチェロやコントラバスのほぼ中間の音域を担当し、リズムやハーモニーが得意。弦楽器全体の響きを充実させます。
チェロ
弦楽器のなかでも音域が広く、音量も豊かなことからオーケストラでは幅広い活躍をします。ヴァイオリンのように主旋律を奏でたり、深みのある低音の響きを生かし、ハーモニーの土台を支えます。
コントラバス
巨大な楽器で、重さは約10キロ・全長にして2メートル近くなります。弦楽器の最低音域をうけもち、オーケストラ全体を支えます。包みこむような重厚な音色と、余韻の長さ、豊かな響きが特徴です。
フルート
オーケストラを構成する管楽器では、最も高音域をうけもちます。ささやくような繊細な音色は、作品のさわやかさや静けさを表現します。多くの作曲家たちを魅了し、数々の独奏曲やソナタが生まれました。
オーボエ
オーケストラのチューニングをリードするほど重要な管楽器です。まろやかな音色と情緒ある響きが聴衆の心を揺さぶります。その優雅さとは反対に、管楽器の中でも演奏がむずかしいと言われています。
クラリネット
オーケストラの管楽器では主旋律を奏でることも多い楽器です。あたたかみのある低音からきらびやかな高音まで、幅広い音域を持っています。多彩な音色で他の楽器の音にしっくりとなじみます 。
ファゴット
3メートル近い長い管が特長で、2本の木を束ねたような形状です。長い管が作り出す低音は、木管楽器の最低音域をカバーします。オーケストラ全体の響きを豊かな低音で支えたり、ときに独奏を担当することも。
ホルン
狩猟に使う動物の角で作った角笛がホルンの原型です。一般に「ホルン」といえばフレンチ・ホルンのことを指します。オーケストラではその多彩な音で、弦楽器と管楽器を結びつける役割を果たします。
トランペット
輝くような華やかな響きで、歓喜を表現したり、聴衆の心を鼓舞します。旋律を奏でるほか、ときに独奏で聴衆を引き込みます。ピストン式とロータリー式があり、金管楽器の最高音域をカバーします。
トロンボーン
管を伸ばしたり、ちぢめたりことで音程をとったり、独特の奏法が可能です。中低音域を担当し、オーケストラでは音量豊かに柔らかく包み込むような音色で、美しいハーモニーを作り出します。
シンバル
華やかな高音が特徴です。オーケストラ全体を圧倒するような大きな音で曲のクライマックスを盛り上げたかと思えば、小さな弱い音で他の楽器とともに音色を厚くするなど活躍は多岐にわたります。
小太鼓
オーケストラの代表的な打楽器のひとつで、音色が際立っています。両側に皮が張られていますが、裏側の皮に付いたスネアワイヤー(スナッピーとも呼ばれる)が独特の歯切れのよい響きを作ります。