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生涯心に留めておきたい体験(石井 希衣さん)4/12

石井 希衣さん/Ms. Kie Ishii
(専攻楽器フルート/flute)

[ 2023.04.18 ]

パリ・エコールノルマル音楽院

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の石井希衣です。

 

つい最近まで毎日とても寒くて暗かったパリですが、やっと日が長くなり始め、太陽の光が大好きなヨーロッパの人々の気持ちが痛いほど分かるようになりました。

 

この半年の間に体験した2つの心に留めておきたい出来事をお話ししたいと思います。

 

<シルヴィア先生と>

 

 

ひとつめは、今秋からお世話になっているフランス国立管弦楽団首席のシルヴィア・カレドゥ先生のお話です。

とにかく面倒見が良く生徒一人一人に愛情を下さる肝っ玉母ちゃんのような先生で、フルートはもちろんのこと音楽との向き合い方、人間性、精神的なことなど、いつも素敵なアドバイスを下さります。

今までにない練習方法、音の出し方、音楽の捉え方や勉強の仕方、新しいことばかりでとても大変な毎日ですが、自分が毎週成長している手応えを今までになく感じています。

先生のアイデア、ボキャブラリ、一つ一つの言葉がどれも面白くて、レッスンの後にそれをいち早く練習に生かしたくてわくわくしながら過ごしています。

 

クラスメイト同士でも音楽の話をしたり、ヨーロッパのオーケストラで仕事をしながらレッスンを受けている人たちばかりなので刺激がありとても楽しいです。

 

<神戸国際フルートコンクールの表彰式にて>

 

 

ふたつめは、昨年受賞した神戸国際フルートコンクールの受賞者演奏会のお話しです。

1週間の神戸滞在の間、ファイナリスト4人と触れ合い衝撃を受けました。

とんでもなく魅力的に磨かれた音楽と個性を持っていて、いつでもキラキラ輝いている。

技術的なことや好みを越えた本当の音楽の世界にいる彼らの音楽は言葉で言い表せません。

コンクールで賞を頂いたことより、彼らの音楽に身近で触れ一緒に過ごしたことが何よりの財産となりました。

彼らから感じ取ったものをどんどん自分の音楽につぎ込んで、これからの演奏に生かして行きたいと思っています。

 

ご支援を頂きながら勉強をさせて頂く期間もあと少しとなってまいりました。私の人生において核になるであろう体験ばかりで、本当に貴重な経験をさせて頂いているなと強く感じています。あと数ヶ月、少しでも多くのことを吸収して沢山成長して行けるよう頑張りたいと思います!