奨学生レポート RMFレポート ミュージックサロン インタビュー

この一年を振り返って(泉 優志さん)2/3

泉 優志さん/Mr. Yushi Izumi
(専攻楽器チェロ/cello)

[ 2023.02.17 ]

東京藝術大学

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の泉優志です。

いつも温かなご支援をいただき、心より感謝しております。

大学4年生で奨学生となり、今年は「今までの自分がいた世界から飛び出してみよう。」というのを目標にしてきました。

 

<リサイタル演奏の様子>

 

 

地元の愛知県、東京でのリサイタル、東京藝術大学でのコンチェルト、高校生の頃からの同期と組んでいるカルテットのデビューリサイタルと今年もたくさん舞台に上がらせていただき、貴重な経験をさせていただきました。

全ての演奏会に全身全霊を注ぎ、妥協なく音楽を突き詰める中、時に自信を無くしたり、不安に押しつぶされ自分が目指した音楽から遠ざかってしまったりと出口の見えない迷路に迷い込んでしまったこともありました。

 

<同期のカルテットデビューリサイタル終演後の様子>

 

しかしある時、師匠からありがたい言葉をいただきました。

「周りを気にせず、自分が信じた音楽に没頭しなさい。」この言葉をいただいた瞬間、自分の殻を破れたような気がしました。
一つ一つの舞台が終わるたびに新しい自分に出会えるような感覚と、お客様に自分の音を通して素晴らしさを共有できる喜びに、胸を躍らせながら活動してきました。

 

 

その精神は今年の後半から積極的に行っていたヨーロッパでも感じることができました。
アカデミーを受講した際には、自分がずっと憧れていた先生にお会いすることができ、演奏を聴いていただきました。

同年代のチェリストの演奏も聴き、僕はそこで、聴衆に自分の音楽を伝えようとする表現力に感銘を受けました。

自分自身ではやっていたと思っていたことも、ヨーロッパの方々は自分の何倍もその音楽に没頭しているのを感じました。

 

これは言葉では浅くなってしまいますが、僕から生まれる音楽にとても大きな影響を及ぼしてくれました。
環境も、自分の心も、演奏も今までいた世界から大きく飛び出せたと実感することができました。

 

<イタリアでのアカデミー練習の様子>

 

 

この1年間お世話になってきた奨学生期間ももうすぐ終わりを迎えようとしています。
こんな素晴らしい経験ができたのもロームミュージックファンデーションのご支援があったからだと思っております。

2023年は留学そして国際コンクールに積極的に挑戦していこうと考えています。
妥協せず、隅々までこだわりぬいた音楽を目指し、より多くの方に演奏をお届けできるようこれからも全力で励んでいきたいと思います。