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サン・カルロ歌劇場での研修(栗原 峻希さん)1/26

栗原 峻希さん/Mr. Takaki Kurihara
(専攻楽器バリトン/baritone)

[ 2023.02.10 ]

サン・カルロ歌劇場研修場

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の栗原峻希です。

ナポリのサン・カルロ歌劇場の研修場にて、世界的歌手マリエッラ・デヴィーア先生の下、研修を積んでおります。

 

<コンサート後のデヴィーア先生との様子>

 

 

サンタ・ルチアの港からヴェスヴィオ火山が望めるナポリの町は、イタリアの中でも非常に特徴的で昔からの佇まいを今でも留めております。

サン・カルロ歌劇場はヨーロッパの大型の劇場の中で一番歴史が古く、ミラノ・スカラ座含め馬蹄形の劇場の元となりました。

ロッシーニやドニゼッティ、ヴェルディがオペラを残してきた、この歴史ある劇場の一番近くで勉強できることは、何より自分の身になっているのを感じます。

 

 

2022年10月半ばにはアカデミーのコンサートがあり、お客様一人一人が温かく僕たちを迎えてくれて、大成功に終わりました。

僕は、マスカーニ作曲オペラ《マスケラ》から「こちらが道です」を歌唱しました。

11月の頭には、ナポリ・オペラ・ブッファ・フェスティバルにてペルゴレージ作曲「リヴィエッタとトラコッロ」のトラコッロ役として出演しました。

珍しいこのオペラに関われて、改めて隠れたオペラの素晴らしい作品の可能性を感じました。

 

<リヴィエッタとトラコッロ出演時の様子>

 

11月の半ばから12月頭にかけて、ヴェルディ作曲「ドン・カルロ」にデプターティ役として出演させて頂きました。

この公演は、エリーナ・ガランチャ、リュードヴィク・テジエ、ミケーレ・ペルトゥージなど世界を代表する歌手達による公演で、サン・カルロ歌劇場が特に力を入れている公演でした。

初日の公演はイタリアの国営放送RAI5にて放送され、世界的にも注目された公演でもありました。

演出は著名なクラウス・グート。

伝統とモダンの融合の舞台で、4時間以上の公演ですが、観客を常に惹きつけており大成功に終わりました。

 

<ドン・カルロ終演後の様子>

 

12月10日には、サン・カルロ歌劇場でのオーケストラとのコンサート。

モーツァルト作曲《ドン・ジョバンニ》から「カタログの歌」を勉強し、オーケストラと共に歌唱しました。

予定が急に変わったり、当日予定してない事を指示されたりと、オーガナイズの部分には日本人としてストレスは多少ありましたが、その文化の違いの部分も含め沢山の勉強になっています。

2023年3月にはヴェルディ作曲《マクベス》にてシカリオ役として出演、またアカデミーでの公演ではパイジェッロ作曲《ドン・キホーテ》サンチョ役として出演させて頂く予定です。

 

 

引き続き、この地でより多くの事を吸収できるよう、研修を続けて参ります。