カルテットの勉強を通じて(東條 太河さん)1/5
東條 太河さん/Mr. Taiga Tojo
(専攻楽器ヴァイオリン/violin)
[ 2023.02.3 ]
東京藝術大学
ローム ミュージック ファンデーション奨学生の東條太河です。
奨学生になってから、私はカルテットを中心に勉強してきました。
<先生方とカルテットメンバー>
カルテットの主な勉強の場となったサントリーホール室内楽アカデミーでは、二年間毎月のレッスンに加えて、チェンバーミュージックガーデンへの出演、合わせ場所にホールの楽屋を貸して頂くなど、カルテットを勉強していく上で、最高の環境を用意して頂きました。
二年間で古典から現代曲まで約15曲程取り組みましたが、中でもベートーヴェンの弦楽四重奏第15番はとても長い時間をかけて勉強しました。
ベートーヴェンの後期の作品は中期と違い、自由度が高まり、彼独自の世界観がより強調されて、自分にはまだ理解不能な部分がたくさんありました。
いつかもう一度勉強できる機会があれば嬉しいです。
8月には霧島国際音楽祭に参加し、先生方のレッスンや豊かな自然からインスピレーションを得る事が出来ました。
そしてファイナルコンサートではバルトークの弦楽四重奏第3番を演奏し、音楽監督賞も頂きました。
そして9月にはミュンヘン国際コンクールのカルテット部門に出場しました。
残念ながらセミファイナルに進む事が出来ませんでしたが、ミュンヘン音楽大学の響きが素晴らしいホールで弾けた事は一生の思い出です。
<ミュンヘンの市庁舎>
最近の世界的なソリストやオーケストラで活躍している人は、室内楽を弾くレベルが凄く高いと感じています。
カルテットを通じて、技術や音楽性が成長出来た事は勿論ですが、社会とい う集団の中で暮らす一人間として、生きていくために役立つことをたくさん学べました。
老若男女問わず様々な方に勉強してほしいと思います。
昨年の9月よりはじまった奨学生期間がもう少しで終わります。
学校を卒業して、社会に出ても実体験から学ぶことはたくさんあると思っています。
音楽から様々な感情や経験を与えてもらえるこれからの人生がとても楽しみです。
最後になりますが、ローム ミュージック ファンデーションさまの在学中のご支援に心より感謝申し上げます。