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2022年に寄せて(望月 晶さん)12/31

望月 晶さん/Ms. Aki Mochizuki
(専攻楽器ピアノ/piano)

[ 2023.01.20 ]

桐朋学園大学大学院修士課程

2022年度ロームミュージックファンデーション奨学生の望月晶です。

日頃より多大なるご支援を賜り、心より感謝申し上げます。

 

4月より桐朋学園大学修士課程に進学し、G・フォーレの研究を中心に学びを深めております。

今期は、ソロでの演奏活動はもちろんのこと、室内楽においても大変貴重な経験を積ませていただきました。

 

 

 

8月には、2022いしかわミュージックアカデミーに伴奏者として携わらせていただきました。

10日間、朝から晩まで担当する学生たちとレッスンを受け、本番の舞台に立ったことは、私にとっても何よりの刺激となりました。

また、国内外でご活躍される先生方のレッスンは、教育者として、また演奏家としての姿勢を学ぶことのできるかけがえのない時間でした。

 

今年は一年を通して若い世代との共演が増え、コンサートやコンクール、学内では試験伴奏も多く引き受けました。

共演する相手の歳に関わらず、自分の引き出しにはなかったアイデアや間合いを共演者から学べるということは、伴奏する醍醐味であり、喜びでもあります。

来年も多くの素晴らしい共演の舞台を控えておりますので、私自身も共演者にとって刺激的な存在であるよう、引き続き研鑽を積んでいく所存です。

 

 

 

11月には修士課程の中間発表がありました。

これは、30分ほどのプログラムを研究テーマに沿って構成して発表する場で、今回はG・フォーレの作品からノクターン第2番、8つの小品 作品84(第8曲がノクターン第8番でもある)というプログラムで演奏しました。

8つの小品は、フォーレの様々な作曲年代の作品を彼自身が編纂した作品です。

ノクターンや舟唄など、題名が冠されている作品群よりも、もっと彼の日常との距離感が近い作品という印象を受けます。

 

この作品に取り組むにあたり、今回はあえて先生方の指導を仰がずに、自分の力だけでどこまでやれるのかという挑戦をしました。

演奏家としての自立の一歩として、自身で作品の構成、音選び、解釈をして、そこにしっかりとした自信を持つという過程があると考えていますが、私にとっては「自分の構成したものに自信を持つ」ことが本当に難しく、今回の取り組みは非常に大きな進歩になりました。

 

 

 

今回クローズアップしたことの他にも、素晴らしい演奏家の方達との共演や、子供を教えること、論文執筆のお手伝い、12月にはホリデーシーズンイベントにマネジメントとして携わらせていただくなど、とても幅広く経験を積ませていただいた一年でした。

来年も、音楽の勉強だけに視野を狭めず、様々なことに興味を持って自分の中にできるだけ多くの柱を建て、人生を豊かに歩んでいければと思っております。