活動報告(佐々木 つくしさん)12/31
佐々木 つくしさん/Ms. Tsukushi Sasaki
(専攻楽器ヴァイオリン/violin)
[ 2023.01.13 ]
東京藝術大学
ローム ミュージック ファンデーション奨学生の佐々木つくしです。
日本での大学生活も残りわずかとなりました。
今回のレポートでは、この半年ほどで経験させていただいた特に思い出深い出来事について書きたいと思います。
<奏楽堂にてモーニング・コンサート終演後。指揮の山下一史先生と。>
まず6月に、藝大のモーニングコンサートでブラームスの協奏曲を演奏させていただきました。
今までコンチェルトを勉強するときは、パート譜で譜読みをしながらたまにスコアを確認するという方法を取っていたのですが、今回は準備期間が短かったため、最初の3日間はソロパートを弾かずに指揮者になったつもりでオーケストラ全体の譜面を読み解いていきました。
すると、ソロパートを譜読みする前から全体の構成が明確になり、インスピレーションも次々と湧き上がってきて驚きました。
それ以来、弦楽四重奏など室内楽の譜読みをする際も同じ方法でやってみています。
また、オーケストラとの共演も大変勉強になりました。
初日のリハーサルでは自分の作り上げてきたブラームスを主張するだけになってしまったので、2日目はアンテナを張ってアンサンブルを強く意識したところオーケストラを聴きすぎてしまい、お見合い状態になってしまいました。
ブラームスの協奏曲は交響曲的なダイナミックさと室内楽的な緻密さが共存しているのでバランスを取るのが難しいですが、本番ではコントロールしつつ自然に演奏することができたと思います。
他には、紀尾井ホール室内管弦楽団さんのエキストラ出演をはじめ、多くの素晴らしい音楽家の皆さんと室内楽でご一緒する機会に恵まれました。
演奏するだけでなく合間の時間にお話しさせていただくことで、音楽性と人間性の両方に触れることができ、自分はどういう人間なのだろう、どういう音楽家になりたいのだろう、と考えを巡らせるようになりました。
また、夏のスカラシップ報告会で古屋晋一さんによる講義を受けてから、練習の方法や身体の使い方を見直すようにもなりました。
<古屋晋一さんによるアーティスト研修会>
最近はアレキサンダーテクニックの先生にレッスンをお願いしたり、大学で音楽家のためのヨガクラスに参加するなど、様々なアプローチを試みています。
アレキサンダーの先生が仰っていた言葉なのですが、「24時間音楽家でいること」。
これが最近の私のモットーです。
どんなことにも好奇心を持ち、何事にも全力で臨むと同時に、日頃から生活習慣に気を配り、自分の身体をケアする。
来春からは留学を予定していますので、環境が変わってもこのモットーを大事にして自分を磨いていきたいと思います。