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アテネでのひととき/本が出版されました(山本 明尚さん)8/31

山本 明尚さん/Mr.Akihisa Yamamoto
(専攻楽器音楽学/musicology)

[ 2022.10.10 ]

ロシア国立芸術学研究所

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の山本明尚です。

2年間ご支援をいただいたローム ミュージック ファンデーションからは、この8月で卒業ということに相成りました。

ですので、今回がここでみなさまにお目にかかる最後の機会になります。

あらためて、有形無形のご支援を頂いたローム ミュージック ファンデーションさまには御礼申し上げます。誠にありがとうございました。

 

 

今私は、今年の9月から始まった学期をロシアの国立芸術学研究所での最終学年に、そして来年4月から始まる学期を日本の東京藝術大学大学院の最終学年にするという目標のもと、2つの博士論文の執筆に邁進しております。

また、先日のブログでもお知らせしたように、短期目標として様々な学会に参加し、査読論文を執筆し、最終目標に向けて徐々に正確な照準を合わせているところです。

 

 

先日の記事でも書いたとおり、8月の下旬で行われたアテネでの国際音楽学会 International Musicological Society で発表してまいりました。

世界中からいらした学者の方から、「あなたの研究の成果はものすごく意外で興味深い、ぜひ頑張ってほしい」といったエールを頂き、大変励みになりました。

 

発表以外にも、一週間ほどアテネに滞在する機会はそうないと思い、毎日アクロポリスや各所の博物館・名所をめぐり、とてもいい思い出になりました。

海沿いの気候がそうさせるのか、日々昼頃、土砂降りのにわか雨に降られる毎日でしたが(アクロポリスの頂上で土砂降りになったのは困りました)、西欧の歴史と文化の原初を感じられる、感動的な体験でした。写真をみなさまにおすそ分けしたいと思います。

 

 

 

10月には、私が翻訳したチャイコフスキー『実践的和声学習の手引』が出版されました。

こうした本を出すのは初めてなのですが、まさかチャイコフスキーと自分の名前が並ぶとは思いませんでした。

やや専門的な内容ですが、ぜひお手にとっていただけますと幸いです。

 

 

 

また、同じく10月には「La Nuit musique」という香水ブランドから発売されたスクリャービンの香水に、スクリャービンを専門分野の一つとする研究者として文章を寄稿させていただきました。

実は香水が好きなので、大変楽しい仕事でした。

こちらもぜひ機会があればお手にとっていただけますと幸いです。

 

 

博士課程の学生、学者の卵に過ぎない私ですが、日本やロシアにとどまらない世界中の人々と自分の研究を通じてお知り合いになれ、色々なジャンルのお仕事をいただけるようになり、徐々に自信の研究活動が軌道に乗ってきた感覚があります。

気を抜かず、この調子で頑張っていきたいと思います。

もしよろしければ、山本明尚というロシア音楽を研究している音楽学者がいることを覚えておいていただければ幸いです!