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半年間の活動報告(橘和美優さん)4/30

橘和 美優さん/Ms. Miyu Kitsuwa
(専攻楽器ヴァイオリン/violin)

[ 2022.06.10 ]

東京藝術大学

ロームミュージック ファンデーション奨学生の 橘和美優 です。

 

8月に1つ目標にしていた東京音楽コンクールで第2位と聴衆賞を頂き、9月から4月にかけて室内楽や、ソロ、オーケストラなど沢山の場面で演奏をさせていただきました。

 

 

 

今期は、ソロ以外に室内楽でのアンサンブル能力を高めていく事が一つの目標でもありました。
大学2年生から組んでいるアーテムカルテットでは、11月からプロジェクトQに参加させていただき、3月の本公演に向けて、本格的に合わせを開始し、今井信子先生、原田幸一郎先生、原田貞夫先生など素晴らしい先生方にレッスンして頂く機会を頂きました。
今回のプロジェクトQのテーマがベートーヴェン後期という事で、私たちはベートーヴェンの12番を勉強することになりました。
他のグループに比べてカルテットを結成してから日が浅い私たちにとって、ベートーヴェン後期と言うのは本当にハードルが高い曲でもありました。

そんな中で素晴らしい先生方のレッスンを受講させていただき、ベートーヴェン後期への苦手意識や、固定概念を取り払うことができ、ベートーヴェンの素晴らしさや奥深さ、そしてベートーヴェン後期ならではの面白さなど、自分達だけでは気付くことのできなかった事を、沢山教えて頂き、また弦楽四重奏としての音楽の作り方など、沢山の課題を見つける事できるとても貴重な機会になりました。

 

3月は、プロジェクトQの本公演に加え、初のアーテムカルテットでのコンサートもさせて頂きました。
初のコンサート、そして3曲同時進行で進めていくという初めての試みばかりで、不安な事だらけでしたが、ベートーヴェン後期という難しい曲に取り組んでいたこともあり、今までと聞こえ方も感じ方も全く違い、思っていたよりもスムーズに進めることができ、課題や反省点はありましたが、成長を感じることのできた本番になりました。
また、プロジェクトQの本公演では、時間をかけて準備をしていた本番でもあり、想像以上に緊張してしまっていたのですが、そんな時に私以外の3人がとても落ち着いて支えてくれたことが大きな力になりました。
プロジェクトQとコンサートを通して、ソロとは違う、カルテットとして演奏する時に大切な事、そして人と弾く事の楽しさや大変さをあらためて学ぶ機会になりました。

 

またソロでは、10月にあった学内試験、1月の実技期末試験を中心に、サロンコンサートや学校で頂いている青山音楽財団の奨学生の成果発表会などにも出させていただき、オーケストラや、セミナーにも参加させて頂きました。
特にソロで心に残っている本番は、学内試験です。

東京藝術大学の奏楽堂というすごく大きなホールで、プーランクのソナタを演奏しました。

大きなホールでソナタを演奏するのは初めてで、リハーサルの時にピアノがまったく聞こえなくなってしまい、不安な状態で本番を迎えてしまい、後悔の残る学内試験になってしまいました。
普段と違う状況だとしても、常に冷静さを忘れずに、自分の演奏を貫く事を忘れてはいけないと思い、とても貴重な経験を支え頂きました。

 

セミナーでは、12月には河口湖音楽セミナー、そして3月にはみやざきミュージックセミナーに参加させていただきました。
セミナーでは著名なバイオリニストの方々にレッスンをして頂き、音楽的な事以外に、普段あまり意識できていなかった身体の使い方を細かく注意して頂き、演奏をする時に身体の使い方が自分の音楽や音にとても大きく関係していく事を実感し、普段と違う視点から様々なことを学ばせて頂き、沢山の課題を見つける事ができました。

 

また、プロの方と一緒にオーケストラにも参加させて頂き、近くでプロの方の息遣いを感じ、直接肌で感じながら沢山のことを学ぶ事ができ、普段のレッスンや練習では学べない事を学ぶ貴重な体験になりました。

 

9月からの半年間、沢山の本番を様々な形で踏ませていただく中で、室内楽とソロの弾き分け方など、演奏の事はもちろん、室内楽とソロを両立する事の大変さなど演奏以外の部分でも沢山学ぶ事があり、充実した半年間でした。