奨学生レポート RMFレポート ミュージックサロン インタビュー

卒業に向けて、学内外での大きな活動(齋藤 優貴さん) 1/30

齋藤 優貴さん/Mr.Yuki Saito
(専攻楽器クラシックギター/classic guitar)

[ 2022.04.28 ]

学校名:フランツ・リスト・ワイマール音楽大学

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の齋藤優貴です。
いつも皆さまからの多大なるご支援を心から感謝しております。
奨学生として2年目に突入し、また本年の夏に在学しているフランツ・リスト・ワイマール音楽大学を卒業予定ということで、寒い冬の中で練習は逆に加熱しております。
この数ヶ月で1番印象に残る出来事としては、昨年9月にイタリアで開催された「ミケーレ・ピッタルーガ国際ギターコンクール」での最高位受賞を忘れてはいけません。

<大学で師事している教授へコンクールの報告>

 


50年以上の歴史を持ち、いわゆるギターの三大コンクールのひとつとされているこちらのコンクールは、世界中の若手ギタリストの大きな憧れであり、私も留学当初から大きな目標として掲げていました。
コロナ禍での開催となったことから予選はオンラインでの動画審査となりましたが、予選を通過した7名が現地でのセミファイナル、そして3名がコンチェルトを演奏するファイナルへと駒を進めました。
最高位ということで厳密には1位なしの2位をいただいたことになりますが、結果以上に準備期間やオーケストラとのコンチェルトの演奏機会から驚くほど多くのことを学ぶことができ、さらには1位に与えられる予定であったイタリアでのコンサートの出演依頼を代わりにいくつかいただけることとなりました。再訪を楽しみにしつつ、さらなるコンサートレパートリーの充実化にむけてしっかり準備を進めていきたいです。

一方肝心な大学での勉強ですが、最終年度ということもあり多くの授業を既に履修し終えてしまったため、近ごろは時間をかけて大きなプロジェクトへ集中をする生活を送っています。
アンサンブルの授業では、ドイツの現代作曲家のラッヘンマンのギター2台のための作品に取り組んでいます(コードウェルの祝砲)。この曲は終始普段のクラシックギターでは使うことのない道具や奏法を駆使しながら演奏するため、秋ごろは練習の大半をこの曲に費やすことが多かったです。また私が担当するパートは、調弦が普段のギターのものよりも全ての弦を半音下げる必要などもあり、写真のようないわゆる「ラッヘンマン専用ギター」を別に用
意する必要があります。感覚的には難しいジグソーパズルを解いているようですが、パート間での掛け合いなどを発見した際のひらめきなどが練習をより楽しくしています。近ごろ行われる大学での演奏会に向けてさらに探究していきたいです。
2月以降はほかにも大学の卒業試験や日本での演奏の予定などが相次ぎ、体調なども含めた自身の管理やプロ意識などを徹底して磨いていく期間となります。その中でひとつひとつの演奏機会を楽しむことも忘れずに頑張っていきたいです。

<ラッヘンマン用ギター>