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この1年を振り返って(谷 昂登さん) 3/31

谷 昂登さん/Mr.Akito Tani
(専攻楽器ピアノ/piano)

[ 2022.04.15 ]

学校名:東京芸術大学

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の谷 昂登です。

日頃より多大なるご支援をいただき、心より感謝申し上げます。

この3月にて桐朋女子高等学校音楽科(男女共学)を卒業し、4月から同じく桐朋学園大学のソリスト・ディプロマコースで勉強する予定です。

昨年10月の日本音楽コンクールでの受賞以降、様々な経験をさせていただくことができました。

<読売日本交響楽団との共演の際の様子>

 

コンサートだけでなくインタビューの機会が増え、今自分が考えていることを言語化することでより明確にやりたいことなどを自分自身で理解することができるようになってきました。

 

桐朋学園にホールができたことで、たくさんの素晴らしいコンサートを身近で見る機会が増えました。その中で、コンサートのプログラミング等、大変勉強になり最近のコンサートでは、より根拠のある選曲になってきたと思います。

そしてまだ続いているコロナ禍で、海外の先生方とYAMAHAのディスクラヴィアを使用したレッスンにも恵まれ、海外渡航の厳しい時期ながら様々な技術の向上のもと対応していき、素晴らしい経験となりました。

前回のレポートでも述べたように室内楽の経験、それに加えデュオなどのコンサートもありました。それらの経験が1月に行われた読売交響楽団、松本宗利音氏指揮で「ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番」を演奏した時などに影響してきました。冒頭の弦のメロディとのアンサンブルは弦楽器とピアノの発音の違いをどう擦り合わせていくかという課題を室内楽などの経験を通して考えることができました。そして、3月には、日本音楽コンクールの受賞者演奏会にて「リスト:ピアノ協奏曲第2番」を共演させていただきました。この曲は昨年1月にも取り組みそれ以来だったのですが、その後日本音楽コンクールの第3次予選でも演奏したリスト:ソナタとの曲の構造の共通点、作曲の背景などの発見があり、違った視点からの曲の見方についても学ぶことができました。

 

<題名のない音楽会出演の際の様子>

 

4月から新たなスタートで、自分にとって大変大きなリサイタル公演なども予定されています。これまで以上に弾く曲だけでなく、その周辺にある曲、知識を学び、説得力のある聴衆のみなさまの心に届くような演奏を目指していきたいと思います。

厳しい世界の状況の中、自分には何ができるのか、音楽は人々にどのような影響をあたえるのかといった本質的なところを常に考えながら、精進して参りたいと思います。