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2021年の活動報告(亀井聖矢さん)12/31

亀井 聖矢さん/Mr.Masaya Kamei
(専攻楽器ピアノ/piano)

[ 2022.02.25 ]

学校名:桐朋学園大学音楽学部

ロームミュージックファンデーション奨学生の亀井聖矢です。
2021年は、様々な経験を通して自分の地盤を固めていくことができた一年だったと感じています。

 

延期されたショパンコンクールが開催された年でしたが、ソロでは12月下旬にオールショパンリサイタルを国内4ヵ所で開催しました。

テクニックや勢いで持っていける作曲家ではないため、過去のショパンコンクール入賞者などの演奏を隅々まで聴き漁り、詳細まで自分の表現したい音色、解釈を考える作業を行いました。

また去年は、ソロだけではなくアンサンブルやコンチェルトなどの機会も色々と頂くことができた一年でした。
同じくロームミュージックファンデーションの奨学生になっていらっしゃる服部百音さんとは、何度もデュオで共演させていただきました。

繊細に作り込まれた息の長いフレージング、頽廃的な音色から幸福に満ちた音色まで幅の広い表現など、近くで同年代の素晴らしい演奏家の音を浴びて自分もそれに呼応していく経験は、本当にたくさんの刺激をもらうことができました。

 

その他にとても貴重な経験になったと感じているのは、ピアノコンチェルトとしてではなくオーケストラの中のピアノとして出演させていただいた、2021年11月の新日本フィルハーモニー交響楽団第638回定期演奏会での「ストラヴィンスキー/ペトルーシュカ」の演奏です。
様々な楽器との対話、それが客席に届くときの音色の融合具合を考えながら、普段聴くことのない位置でオーケストラのサウンドに囲まれる経験は、自分の作曲の勉強においても大きな意味を持つステージでした。
このように様々な機会に挑戦していくにあたり、学校外でもたくさんのレッスンを受けたり、海外の著名な先生方のレッスンを積極的に受講できた一年でもありました。

数々の貴重なレッスンを受ける中で、作曲家の背景に考えを巡らせたり、書かれているすべての1音1音、さらには音と音の間の響かせ方までしっかりと作り込み、それができた上でようやく自分が表現したいものや個性を出していくことができるんだ、という考え方を得ることができました。

2022年は本格的に海外に目を向け、国際コンクールにも挑戦していきたいと思っていますので、もっともっと努力を重ね、高みを目指して精進して参ります。