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この2年間を振り返り(向井響さん)12/15

向井 響さん/Mr.Hibiki MUKAI
(専攻楽器作曲/compsition)

[ 2022.02.14 ]

学校名:ポルト大学大学院

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の向井響です。

多大なるご支援のお陰で、作曲と研究を続けることができること、心より感謝申し上げます。秋に差し掛かるポルトガルですが、まだ残暑が続いています。

 

2021 年6 月、イスラエルのテルアビブで行われた、第6 回マータン・ギヴォル国際作曲コンクールにて私のフルート、アンサンブル、エレクトロニクスのための「機械の肌 3」が第1 位を頂き、世界的なアンサンブルであるMeitar Ensemble に受賞者演奏会にて初演して頂きました。

パンデミックになってから演奏会の延期や中止が相次ぎ、この1 年半を作曲家として厳しい時間を過ごしていましたが、この作品を評価して頂き、そんな中で書かれた私の作品がこうして日の目を見たことがとても嬉しく、そして光栄でした。

コロナのためイスラエルに入国できず、初演に立ち会うことは叶いませんでしたが、zoom を使って、綿密なリハーサルを奏者と行い、無事初演を迎えることができ、リモートでのリハーサルにもかなり慣れてきました。エレクトロニクスの入った作品を20歳から作り始めて今年で8年目に突入します。

これまでに私と一緒に作品を作ってくださった奏者の皆様に、心より感謝申し上げます。

 

オランダのガウデアムス現代音楽週間に招待いただき、クラリネット、ピアノ、電子音響のための「機械の肌4: Bombshell」を発表しました。

5月から2回行われたセレクションを経て、私のプロジェクトを選んでいただき、Duo Ebanoより作品が委嘱されました。

2018年に私の欧州デビューになったこの音楽祭に3年ぶりに呼んでいただきました。

この作品では“声“に焦点を当て、音楽の文脈の中で、マリリン・モンローの残されたアーカイブ からレガシーとしての声、人口音声、そして楽器の”声“の3種類を比較しました。

演奏会の前日にオランダ政府よりコロナ明けの宣言があり、たくさんの方に来場いただき、やっといつもの演奏会が戻ってきたように感じました。

この2年間、ローム ミュージック ファンデーションン様に、アントワープとポルトでの滞在、学業、研究、そして製作を支えて頂きました。

たくさんの演奏会の機会を頂き、作曲家にとってとても貴重な時間となりました。

博士課程で研究しつつ作曲活動を続けていくことは体力的に結構大変な時もありますが、これからも精一杯作品作りを続けていきます。

そして、将来必ず日本の芸術 文化の継承そして発展に少しでもお役に立てる人材になれるように、精進してまいります。