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室内楽の経験を通して(谷昂登さん)10/30

谷 昂登さん/Mr.Akito Tani
(専攻楽器ピアノ/piano)

[ 2022.01.7 ]

学校名:桐朋女子高等学校音楽科(男女共学)

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の谷昂登です。
いつも温かいご支援をいただき心から感謝申し上げます。
8月の半ばに地元北九州で行われた北九州国際音楽祭「まるっとenjoy!」という企画に出演させていただきました。

 

<初の室内楽共演の際の様子>

 

私にとってこのコンサートは初めての室内楽で、篠崎史紀氏、桑田歩氏、中村翔太郎氏とモーツァルト:ピアノ四重奏1番、ブラームス:ピアノ四重奏1番等を演奏いたしました。

「どこに意識を向ければ良いのか」「どう4人で音楽を創り上げていくべきなのか」ということを模索しながらの状態でした。

一緒に合わせていく中で、常に他楽器が何をしているのかを汲み取り、そこから個性がぶつかりあうことで、一人では創ることのできない音楽が出来上がっていくことがわかりました。

また、ピアノの音をより弦楽器の音質に近づけるようにすることなどを研究する機会にもなり、大変勉強になりました。

これからもソロと並行して室内楽の経験を重ねていきたいと思っています。
 
そして、9月12日より日本音楽コンクールに参加いたしました。

9日間の中で一次予選から三次予選までが行われ、プログラムの準備や短期間での体力や精神的なモチベーションを保つのに苦労しました。

今年に入って、ありがたいことに本番が増えてきたため、集中力や体力もついてきたことが功を奏し、本選に進むことができました。

本選では、6年間勉強を深めてきたチャイコフスキーのピアノ協奏曲1番を演奏しました。

実際にロシアに訪れたときの経験やロシアの先生方に教わった伝統的な演奏法、そしてチャイコフスキーの他の作品などを聴くなどして、多方面から見直していきました。

また、前述した室内楽での経験も活かして、オーケストラの方とのコンタクト、そして音楽的にどうアプローチしてきているのかを瞬時に汲み取るように意識しながら、リハーサル、ゲネプロを行いました。

 

<日本音楽コンクール本選のゲネプロ際の様子>

 

本番では冷静に考えながら、そしてオーケストラと一緒に音楽を創り上げていく感覚を感じながら演奏しました。

結果は第1位と聴衆賞である岩谷賞をいただくことができました。

聴衆賞もいただけたことは私が演奏していく上でとても励みとなりました。

 

これらの経験を通して学んだことをより一層深めていき研究を重ね、精進して参りたいと思います。