奨学生レポート RMFレポート ミュージックサロン インタビュー

オンラインとオフライン(阪田知樹さん)11/28

阪田 知樹 さん/Mr.Tomoki Sakata
(専攻楽器ピアノ/piano)

[ 2021.01.8 ]

学校名:ハノーファー音楽演劇メディア大学大学院

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の阪田知樹です。

コロナ禍の影響を直接受け、ドイツでの留学生活も一変し、ヨーロッパの演奏会などは殆どが中止または延期となり、楽しみにしていたコンサートを失った喪失感は例えようのないものでした。

配信を通じての演奏させて頂く機会はありましたが、やはりオンラインでの音では限界もあるので、(レッスンもまた同じく…)自分の中でのモヤモヤとする部分がありました。

<11月横浜みなとみらいホールでのコンサート当日リハーサル>

 

そんな中、幸い日本では入場者数に制限を設けながらも徐々に演奏会が開催されるようになり、私も8月にはこのような状況に見舞われて以来、初めてライヴでの舞台を踏むことが出来ました。

また、8月にはオーケストラとの協奏曲、ヴァイオリンとのデュオ、リサイタルなどと様々な演奏機会がありました。

それらの半数以上は、このコロナ禍を受けて延期されたものでした。

ただ8月には新たに感染再拡大中でしたので、直ぐには以前のような環境には戻りませんでしたが、これまで日常となっていたホールで演奏することの貴重さ、そしてご来場下さった皆様と音楽を共有することの出来ることの大切さを身に沁みて感じた演奏会となりました。

 

10月にも、予定されていた日本での公演の幾つかはやはり無くなってしまいましたが、小リサイタルツアーは無事敢行されました。

このような状況だからでしょうか、聴いて下さる皆様から並々ならぬ集中力を感じ、それを背に受け、私もまた演奏に集中することが出来ました。

またツアーの合間にはラジオ番組に出演致しました。ただ様々な事情が重なり、今回は電話での生出演という形に落ち着きました。

 

<電話でラジオ出演>

 

今年は、例年にも増してヴァイオリニストの方との共演機会が多かった為、様々なヴァイオリンソナタを演奏させて頂く機会に恵まれました。

この数ヶ月で15曲以上のヴァイオリンソナタに向き合っております。ヴァイオリンが大好きな私にとってそれはとても幸せな時間ですし、作品を研究すればするほど、感動し、そこから多くのことを学んでいます。

 

2021年にはピアノ協奏曲や室内楽作品、ピアノソロのレパートリーなど、初めて演奏会にて演奏予定の作品を含め、様々な時代の音楽に取り組みます。

また有難いことにご依頼を頂き、作曲編曲の活動も引き続きさせて頂いております。

この時代を乗り切り、生活の不安が払拭された中で学び、そして、演奏出来る日が近いうちに戻ることを祈りつつ日々精進して参ります。