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近況のご報告(向井響さん)12/11

向井 響/Mr.Hibiki MUKAI
(専攻楽器作曲/composition)

[ 2020.05.15 ]

学校名:アントワープ王立音楽大学大学院

ロームミュージックファンデーション奨学生の向井響です。

ご支援のおかげで日々研究と作曲に全力で打ち込むことのできる環境に身を置くことができ、心から感謝申し上げます。

2019年9月、ウクライナ外務省の行う音楽祭 “Sounds Around Me”にて、若い作曲家を対象とした作品委嘱プロジェクトの公募があり、私の48のスピーカーとチェロを使ったプロジェクト「幽体の鳥」を選んで頂きました。

<会場となったウィーン美術アカデミー特別展示場 >

 

この作品のために、ウィーン美術アカデミーの展示場の3階、4階を貸し切り、客席からスピーカーの位置、残響、会場の広さ等、コンピュータを使い厳密に計算し、48のスピーカーを配置して頂きました。

実際のコンサートでは、Thomas Gorbach氏、Alla Zagaykevych氏の協力の元、幽体の鳥を表現した様々な音(羽ばたき、鳴き声等)を含むエレクトロニクスを、チェロのライブパフォーマンスに合わせて、自由自在にコントロールして、音を会場に放散しました。

 

<チェロパートは現代音楽のスペシャリスト、Michal Moser氏に演奏して頂きました。>

 

エレクトロニクスを、時間軸を持つ音響彫刻として捉え、実体を持たない鳥を、会場に飛ばす、という、新しい音楽の形を問うこの挑戦は、これまでコンサート形式を中心に作品を書いてきた自分にとって、音楽の形を考える、とても良い機会になりました。

リアルな音響体験をもたらす音楽づくりをこれからも続けていきたいと思っております。

<ORDA-2019本選会にて、審査員の先生方と>

 

2019年10月27日アムステルダムにて行われた、ORDA-2019の作曲部門の本選会にて、リコーダーソロ、アンサンブル、打楽器、ライブ・エレクトロニクスのための「機械の肌」が第一位を受賞しました。

今回ライブエレクトロニクスのプログラムを刷新し、リコーダーのアーティキュレーション、ピッチをデータとしてコンピュータに読み込み、アンサンブルの音を増幅することで、バーチャルのリコーダーコンチェルトを作るという壮大なプロジェクトでした。

 

コンクールにてソロリコーダーを務めてくださった中村栄宏さんと、アントワープでの共同プロジェクトを始めることになり、来年もたくさんの作品を世に出すことができそうです。

今からとても楽しみです。

<アントワープ王立音楽大学大学院にて、ウィム・ヘンドリック先生とのレッスン>

 

 

今こうして勉強に打ち込むことのできる幸せを噛み締め、作曲家として私にできることは何か、日々考えながらもひたむきに努力して参ります。

 

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。