奨学生レポート RMFレポート ミュージックサロン インタビュー

ウィーンでの生活が始まりました(大関万結さん)11/1

大関 万結さん/ Ms.Mayu Ozeki
(専攻楽器ヴァイオリン/violin)

[ 2020.04.8 ]

学校名:ウィーン私立音楽芸術大学/桐朋学園大学ソリストディプロマコース

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の大関万結です。

今年9月から、これまでずっと憧れと親しみを感じてきたウィーンに住み、ウィーン私立音楽芸術大学で学んでいます。

こちらに来てまだ2ヶ月ですが、たくさんの方々に支えられ、充実した時間を過ごしています。

ウィーンはいま、煌びやなクリスマスに向けて着々と準備が進められています。学校からの帰り道に、店先に並ぶ可愛らしいクリスマスグッズやイルミネーションを見ているだけで、とてもワクワクしてきます。

 

<よく立ち見に行くオペラ座にて>

 

まず、こちらに来て私が強く感じることは、音楽が生活の中の当たり前の文化として根付いているということです。
ウィーンではオペラの立ち見がたったの3ユーロ(400円弱!)です。

日本ではDVDで見ていたような一流のオペラを、並ぶ時間さえ我慢すれば毎晩安価で見ることができるのです。

ほとんどは19時開演で、だいたい3時間前の16時から並べば良い位置を確保することができます。

立ち見なのでそこからさらに約3時間ほど立ちっぱなしで、体力が求められますが、素晴らしい歌手を聴くことができた夜は言葉にできぬ満足感を手にして帰路に着きます。

そして屋外にはパブリックビューイングが設けられる日もあり、そこにはオペラを見るためだけではなく、仲間と集まり談笑することを目的に集まる光景も目にします。

このようにオペラがBGMと化す現象は、日本ではまず見られない光景でしょう。

そうして頻繁にオペラに触れていく中で、音楽と言語の強い結びつきを身をもって実感することができています。

言語の持つリズムと音楽のリズムの深い関わりを、頭では理解していたつもりでしたが、最近やっと身をもって感じることができました。

歴代の作曲家が最終地点として見据え、誰もが書くことを目指していたオペラ。手軽に触れることのできる環境を最大限に活かし、もっともっと深く掘り下げていきたいと思います。

 

<秋の空は幻想的です>

 

そして学校では、週に一度コレペティ(ピアニスト)と弾く機会が授業の一環として設けられています。

日本では演奏会くらいしかデュオで弾く機会がなかったので、ピアノという楽器と弾くこと自体が大好きな私にとって、毎週のこの時間はとても楽しみなものです。

 

<シェーンブルン宮殿が誇る広大な庭園のお花たち。日光浴や読書など思い思いに過ごします>

 

現在、争いや災害などで衣食住すら足りない人たちが世界中にあふれる中で、好きなことを好きなだけ勉強できるこの恵まれた環境に感謝し、少しでも成長できるよう努力し続けていきたいと思います。
まだ始まったばかりの留学生活ですが、温かく見守っていただけたら幸いです。