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ベルリンを拠点として(佐藤元洋さん)10/31

佐藤 元洋さん/Mr. Motohiro Sato
(専攻楽器ピアノ/piano)

[ 2020.03.3 ]

学校名:ベルリン芸術大学大学院

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の佐藤元洋です。
2019年度奨学生として、ドイツ・ベルリンにて勉強をさせていただいています。

<ベルリン市内の森を散策、季節ごとに美しい姿を見ることができます>


学校の夏季休暇中の日本での演奏会を終え、戻った10月初旬のベルリンは、吐く息白く人々も既に厚手の装い。

私にとって4度目のベルリンの秋ですが、日本とのギャップには未だ驚かされます。

 

とはいえ、晴れた日には日差しの暖かさを感じ、思わず少し長く歩きたくなることもあります。

ベルリンは街中の木々も多く、この時季は枯れ葉舞う風情のある光景をよく目にしますが、とりわけ市街地から十数分で行くことのできる森は、色づく葉や落ち葉の黄色赤色で一面が染まった美しい姿を見せてくれます。

静かな森で、木々のざわめきを感じながら歩けば、心の落ち着くとても良い時間を過ごすことができます。

 

< ベルリン芸術大学の歴史ある重厚な校舎>

 
この秋で、留学生活を始めてから3年半になりました。

師事するビョルン・レーマン教授のもと、まわりからも多くの刺激を受けながら、ベルリン芸術大学大学院では非常に充実した学びをさせていただいています。
ここベルリンを拠点としながら、ヨーロッパ内では各地でコンクールやマスタークラスに参加したり、演奏をさせていただいたりと活動をしています。

この半年間も、様々な場所で演奏や学びの機会を得ることができました。

 

<仙台国際音楽コンクールでのステージ>

 
特に大きな経験になったのは、5月から6月にかけて開催された、第7回仙台国際音楽コンクールに参加したことでした。

日本での国際コンクールへの参加は久しぶりでしたが、幸せなことにファイナルまで全ての舞台に立たせていただき、(このコンクールの特色でもある)仙台フィルハーモニー管弦楽団の皆さん、広上淳一先生と3曲の協奏曲を演奏できたことは、本当に貴重な経験でした。

いただいた第4位という結果ももちろん今後の糧となりますが、長期間に渡るコンクール期間、肉体的にも精神的にもある意味過酷な状況の中で、各方面からの様々なサポートや聴いてくださった方々のお言葉、コンテスタント同士の励まし、共演者、そして何より音楽から大きな力を受けながら、駆け抜けた時間はかけがえのないものでした。

 

<滞在しているイタリアの街、美しい空気や風景は強く心に残ります>

 
これを書いている今も、マスタークラスに参加するためイタリアに滞在しています。

マスタークラスでは、レッスンからの学びは勿論、それ以外にも、参加者同士の交流や、訪れる土地の風土や歴史などから自分の感性を豊かにするヒントを受けることができます。

今後も、ベルリンという素晴らしい環境に身を置きながら、ヨーロッパで勉強のできる貴重な時間を大切に、様々な場所で積極的に活動していきたいと思います。ここに改めて、多大なるご支援をいただいておりますことに感謝申し上げます。