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最終レポート(北川千紗さん)4/26

北川 千紗さん/Ms. Chisa Kitagawa
(専攻楽器ヴァイオリン/violin)

[ 2019.07.8 ]

学校名:東京藝術大学

ロームミュージックファンデーション奨学生の北川千紗です。

2019年 3月中旬から下旬にかけてハンガリーで4つの演奏会を行って参りました。

 

一つ目はブダペスト近郊Godolloという街の宮殿にてソロリサイタルを、その次に伝統あるリスト音楽院にてソロ&デュオリサイタルを行いました。

ハンガリーでのホールは一言で言えば、どの場所で演奏しても素晴らしい音響を感じられる気がいたしました。とくに同じ楽器を奏でているとは思えない音色の美しさに自分自身驚きました。

 

<Godollo Royal Palace>

 

<Old Rizst Academyとホール (かつてリストが住んでいた部屋から直接入る事のできるホール)>

 

2つのリサイタルを終え、特急列車2時間半の行程でSzombathelyへ向かいました。

国立サヴァリア交響楽団の定期演奏会に呼んでいただき、今回は指揮井崎正浩先生によるシベリウスのヴァイオリンコンチェルトを演奏させていただきました。

演奏会は2日連日 場所を変えて行われ、オーケストラ団員の方々とバスや自家用車で大移動をしたことが楽しい思い出となりました。

渡航前は「連日のコンチェルト」にやや不安を感じていましたが、現地では井崎先生と団員の方々の暖かさと陽気さに囲まれ、開放的な気持ちで演奏することができたと思います。

実は井崎先生は私が10年前に初めてオーケストラ共演をした時の指揮者でいらっしゃり、再会を私以上に驚き喜んでくださったのでした。

こうして現在ふと訪れた自分が、この国で歓迎してもらえているのは、ハンガリーで活躍されてこられた日本人の方々の努力が礎となっているような気がしました。

「どこにいても、そこで頑張っていることが後進の役に立ち礎となるのかもしれない。そういう時が来るかもしれない。」と感じるような旅でした。

 

<井崎正浩指揮 サヴァリア交響楽団定期演奏会 Bartok Hall >

 

帰国後すぐ東京藝術大学の卒業式があり、4月より桐朋学園大学大学院音楽研究科修士課程に進学しました。

附属音楽高校からの7年間を懐かしみ、その一週間後には進学先の入学式を迎え、待った無しで新しい生活を始めております。

 

またこの2月よりシャネルピグマリオンデイズ2019も始まり上半期3回のリサイタルを終えたところです。

年間6回ものリサイタルをプログラミングすることはハードではありますが大変勉強になっております。

そして各回毎に演奏やトーク、立ち振る舞いについての丁寧な講評をいただき、学生としてではなく一演奏家としての一歩を踏み出す大切な大切な時間を過ごしております。

客観的な指摘をいただきながら、これからも柔軟に自己修正できる自分でありたいと思っています。

 

<桜満開の東京藝術大学>

 

毎月欠かさずご支援頂きましたこの2年間、知らない場所を訪れ、新たな人と出会い、音楽を共有し合う、何事にも代え難い素晴らしい体験をさせていただきました。

これからもかけがえのない絆を求め、力を蓄え、自己管理をしながら、弛まず前進し続けたいと思います。

ご支援いただき、誠にありがとうございました!

 


たくさんの公演を経験されて、そこで得たものをぜひこれからの新しい道に活かしていってください。 これからもよろしくお願いします!