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2018年を振り返って(小野田有紗さん)11/30

小野田 有紗/Ms. Arisa Onoda
(専攻楽器ピアノ/piano)

[ 2019.02.4 ]

学校名:英国王立音楽院

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の小野田有紗です。

アメリカとイギリスでの留学生活も早いことに7年目に入りました。

<ハンガリーでの入賞者コンサート>

 

夕方4時前にはもう真っ暗になってしまうロンドンの冬の季節がまたやってきました。

2018年も終わりに近づいているので一年を振り返ってみると、本当に濃くて充実していたなと感じるのと同時に、毎日一日一日が精一杯で、自分を追い込みに追い込んだ年だったように感じます。

拠点であるロンドンでの演奏会や卒業試験などに加え、5月には初めてのアイルランド、6月はハンガリー、7月はアメリカ、8月にはイタリア、と飛び回りながら、毎回違うプログラムを用意しなくてはいけなかったのは本当に大変でした。

でもその分、自分の身になっていることも実感できて、少しずつ自信を持てるようになってきたように思います。

 

<ロンドンの夕暮れ>

 

ハンガリーでの国際コンクールでは、1次、2次のソロ、そしてファイナルのコンチェルトと連続で本番があり、体力と気力も鍛えられました。

それが終わってホッとできるかと思いきや、嬉しいことに1位なしの3位を頂いて、また次の日には入賞者コンサートで演奏させていただきました。

そして、ロンドンに戻ったその足で今度はその次の日の室内楽のコンサートのリハーサルに向かいました。

疲れているはずなのに音楽の力で元気になっていく感覚でした。

 

<ロンドンでの室内楽コンサート>

 

10月にはスイスに行き、そこではRTS(Radio Television Swiss)の収録にも呼んでいただいて、私の演奏とインタビューが放送されました。

収録の3時間後に放送ということで、すべて編集なしの一発勝負!演奏会ともまた違った緊張感の中での貴重な体験でした。

 

スイスからロンドンに帰ってきて数日後には今度はヴァイオリンとのデュオリサイタルがありました。

ベートーベン、バルトーク、モーツァルト、そしてプロコフィエフという色々なキャラクターが詰まったプログラムを満員のお客様と共有できて、とても楽しい時間でした。

12月にはソロで世界有数のホールであるウィグモアホールで演奏できるので今から楽しみにしています。

 

<学士課程を首席で卒業できました!卒業式にて友人達とともに>

 

ここまで様々な国での演奏のお話を書いてきましたが、あれ、学校行ってるの?と思われているかもしれません(笑)

9月から私は修士課程に在籍していて学士課程より授業数は減ったものの、毎週のソロのレッスン(週2回、3回あることも!)や室内楽のリハーサル、レッスンはもちろん、学校併設のミュージアムで行われるピアノ科必修のレクチャーや、私が選択している指揮の授業やフランス音楽の授業、さらには毎週あるマスタークラスでは客員教授や世界一流の音楽家のレッスンを受けられる機会があり、もう毎日が全身に音楽と刺激のシャワーを浴びているようです。

考えさせられるようなレクチャーばかりで、そこから自分が新たに気づくことが毎回沢山あります。

 

<世界的音楽家 リチャード・グード氏のマスタークラスにて>

 

先生方の知識量にも革新的な観点にも圧倒され、溺れながら吸収しています。留学し始めて一番最初に思った「教えられているのではなく与えられたヒントをもとに自分の頭で考えていくことの大切さ」を忘れずに、今までは点と点だったものが繋がっていく感覚を最近特に感じることができています。

少しずつそうやって音楽的にも人間的にも成長していきたいと思います。

 


首席でおの卒業おめでとうございます!マスタークラスが毎週あるというのはすさまじいですね…ぜひ多くを吸収していってください。