内面からの成長(鈴木舞さん)
鈴木 舞さん/Ms. Mai Suzuki
(専攻楽器ヴァイオリン/violin)
[ 2016.09.21 ]
学校名:ザルツブルク モーツァルテウム 音楽大学
ローム ミュージック ファンデーション奨学生の鈴木舞です。
ローザンヌを経て、ザルツブルグ モーツァルテウム音楽大学で学び、二年が経ちました。
この半年は、自分の外面よりも内面において、激動ともいえる経験を得ることになりました。
室内楽ではベルリンフィルのメンバーをはじめ様々な個性のメンバーとの関わりのなかでアンサンブルに挑む中から、音楽の語法や語り口といった形容し難いものを再発見する瞬間にたくさん巡り会いました。
3月にはメンデルスゾーン、4月にはチャイコフスキーのコンチェルトを、飯森範親指揮山形交響楽団、篠崎靖男指揮静岡交響楽団と共演。
それぞれ指揮者と対話しながら、常識や伝統にとらわれず楽譜から読み込む音楽作りをしました。
5月には満を持して挑戦したロシア ウファのスピヴァコフ コンクールで2位を受賞しました。
ここでは自分の演奏のことよりも、審査委員長であるヴァイオリニスト、指揮者のスピヴァコフさんが醸し出す、大きな存在感とカリスマに圧倒され、アーティストの何たるかを、オフステージでも痛感することになりました。
演奏していない時でさえ、人をかくも惹きつけるオーラとは何か、を深く考えさせられる体験でした。
音楽を通して沢山の人と関わり、自分とは全く異なる世界に触れたり、民族や言葉、バックグラウンドを超えて調和を目指すことなど、毎日が少しずつ違った発見と喜びに満ちて暮らしています。
ローム ミュージック ファンデーション様のおかげでこのような貴重な勉強の場を得られること、心より感謝しております。
この夏からはコンサートの場を増やして、これまで培ってきたものを表現、発揮するステージに挑んでいくつもりです。
東京はじめ各地でのデュオリサイタルでは、レパートリーによって違ったピアニストの方々と共演を予定しています。
パートナーによってそれぞれに異なる音楽的味付けの演奏を目指します。
また、新しい聴衆との出会いを求めて、普段コンサートが開かれないような場所での演奏も計画しています。
この成果は次回のレポートでご報告できればと思っています。