奨学生レポート RMFレポート ミュージックサロン インタビュー

20歳から21歳へ(岡本誠司さん)

岡本 誠司さん/Mr. Seiji Okamoto
(専攻楽器ヴァイオリン/violin)

[ 2016.07.19 ]

学校名:東京藝術大学音楽学部

ロームミュージックファンデーション奨学生の岡本誠司です。奨学生になりまして半年が経とうとしています。

いつも大きな手厚いご支援をありがとうございます。

岡本誠司-フィンランドのシベリウスの暮らした家アイノラにて

<岡本誠司-フィンランドのシベリウスの暮らした家アイノラにて>

 

2014年7月、ドイツ・ライプツィヒでの第19回バッハ国際コンクール優勝を機に、おかげさまで飛躍的にたくさんの経験をさせていただいておりますが、大学3年生になってからは特に濃い毎日が続きました。春からはいよいよ最終学年4年生になります。

中でも印象に残っているのは、2015年6月に招かれて出演したライプツィヒ・バッハ音楽祭でのコンサートです。
ヨハン・セバスティアン・バッハが後半生をトーマスカントルとして務めた街での100年以上の歴史をもつ音楽祭。そこでの無伴奏リサイタルはとても感慨深いものになりました。
満員のお客様が全身を耳にしてくださっているのを感じ、一曲目の後、拍手の寸前にところどころで顔を見合わせたり声が聞こえたりして空気が和んだのと同時に温かいエネルギーが会場に広がり、その後は曲ごとに心のこもった熱い拍手やスタンディングオベーションをいただき、あっという間の1時間でした。
弾き手も聴き手も集中をしいられるという意味では、とてもきつい無伴奏のコンサートですが、日本人の僕がクラシック音楽家を目指していいのだ、と再確認できた瞬間でした。
250人定員という会場で当日駆けつけてくださってもお断りせざるを得なかった方がたくさんいらした、と後で聞きました。またいつの日かその方達ともどこかのコンサートで出逢えたらいいな、と思います。終演後は沢山の方が声をかけてくださり、大好きな音楽をわかちあえた幸福を味わうとともに、もっと経験を積んで、もっと沢山の出逢いと交流を重ねて、音楽家として大きくなろうと決意を新たにしました!

 

岡本誠司-ライプツィヒのトーマス教会前にてバッハ像と

<岡本誠司-ライプツィヒのトーマス教会前にてバッハ像と>

岡本誠司-ライプツィヒ・バッハ音楽祭でのコンサート開演直前の様子

<岡本誠司-ライプツィヒ・バッハ音楽祭でのコンサート開演直前の様子>

 

 

11月にはフィンランド・ヘルシンキで行われた第19回シベリウス国際コンクールへ参加しました。

良い結果を出すことは叶いませんでしたが、世界中から集まったトップレベルの同世代の演奏家の演奏を生で聴けたことは僕にとって大きな刺激になりました。これからも自分の可能性を試すため、また新たな出逢いや交流のため、そして周りから刺激を受けて自分を向上させるためにも、国際コンクールには積極的に挑戦していきたいと考えています。

 

岡本誠司-ラフォルジュルネ金沢-ファイナルコンサートの様子

<岡本誠司-ラフォルジュルネ金沢-ファイナルコンサートの様子>

 

国内のコンサートでもたくさんの経験をしました。
5月にはラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2015の有料公演に出演。日本でこの音楽祭が始まったのは2005年、僕がまだ小学5年生の時で「いつか自分もこの音楽祭でコンサートをして、お客様に聴いてもらいたいな」という一つの夢が、それから10年後に叶い、とても幸せでした。

またその直後にはラ・フォル・ジュルネ金沢2015にも出演させていただき、井上道義さん指揮,オーケストラアンサンブル金沢さんとの共演も叶いました。
また、ニューフィル千葉さんとのチャイコフスキーの協奏曲、新日本フィルさんとのシベリウスの協奏曲、田村響さんとのリサイタル、碓井俊樹さんと辻本玲さんとのピアノトリオ、徳永二男,中澤きみ子両先生と三浦文彰さんとの共演、鈴木優人さんとのメサイア、佐藤俊介さん,鈴木秀美さん,Shuann Chaiさん,原麻理子さんとのオリジナル楽器でのロマン派作品のコンサートなどなど、様々な音楽性を持った音楽家の方との交流や共演により、自分の音楽に対する幅がより広がったと思います。
そして聴きにきてくださったお客様と時間を共有できる喜び。心から感謝するとともに、表現者として進化・深化していきたいです。

 

岡本誠司-東京オペラシティコンサートホールにてバッハのシャコンヌを演奏中

<岡本誠司-東京オペラシティコンサートホールにてバッハのシャコンヌを演奏中>

 

さて、次の半年は、引き続き国際コンクールへの挑戦、コンサートへの出演、国内外の音楽祭、講習会への参加に加え、いよいよ海外での足がかりを作る準備に邁進することになります。

すべて順風満帆というわけにはいかないでしょうが、それさえも楽しみ、プラスのエネルギーにしながら、前進します!
今後ともよろしくお願いいたします!

 

 


たくさんのコンサート、そして数々の経験が素晴らしい糧になっているようですね。8月のスカラシップコンサートも楽しみにしています!