ウィーンとローマでのかけがえのない経験(小林沙羅さん)
小林 沙羅さん/Ms.Sara Kobayashi
(専攻楽器ソプラノ/soprano)
[ 2015.07.3 ]
学校名:ウィーンプライナー音楽院
ローム ミュージック ファンデーション奨学生の小林沙羅です。
ウィーンでは主にW.Moore先生の下でドイツリートとオラトリオを勉強し、ウィーンの学校でのレッスンがない時期にはローマに渡って語学やイタリアオペラ、そしてベルカント唱法を勉強しています。
日本で演奏会がある時期には帰国するので慌ただしい毎日ですが、その分、今回のウィーン又はローマ滞在ではここに集中して勉強しよう、この曲をものにしよう、などと、はっきりした目標、目的を持って時間を過ごせるので、とても充実した時間をおくることができています。
ウィーンでは最近では特にベートーヴェン、シューマン、モーツァルト、マルクスの歌曲、バッハのカンタータ、モーツァルトのレクイエムなどを中心に勉強しています。
W.Moore先生はレパートリーの引き出しをたくさん持っていらして、私の声に合った曲を次々と紹介して下さるので、勉強が追い付かないほどです。
コレペティを勉強している友人に手伝ってもらいながら、新曲の勉強や暗譜を必死でこなす毎日です。
先日、門下生によるコンサートがあり、そこでベートーヴェンの歌曲を3曲歌いました。
ドイツ語が母国語であるお客様の前でドイツ歌曲を歌うのはいつもとても緊張しますが、その緊張感の中で歌わせて頂ける事で得るものがとてもたくさんあり、感謝しています。
ローマでは基本的には語学学校に通いながらG.Gitto先生によるレッスンを受けています。
ドイツリートを歌う時とはまた違った、イタリアオペラのための発声法、ベルカントをしっかりと身に着けたいと思っています。
11月にはローマで、M.Devia先生によるマスタークラスを受けました。
ローマの郊外にあるペンションに泊まり込みで、朝から晩までのマスタークラス。優秀な同年代の歌手と一緒に濃密な時間を過ごし、とても刺激を受けました。
私は先生のレッスンで強く影響を受けすぎて、途中でそれまでの自分の発声法を見失って混乱してしまい、そのままマスタークラスが終わってしまいました。
納得できない終わり方になってしまったのですが、その後発声を立て直しながら様々な事を考え、その時間の中で今まで思いもしなかった発見や、注意しなければならない事を知らず知らずのうちに学ぶことができたと感じています。
今後また時間を作って、再びマスタークラスに参加したいと思っています。
今後も貪欲に勉強を続け、そして挑戦する気持ちを忘れずに、歌手としてそして人としても様々な経験を重ねて成長していきたい。そしてもっと表現の幅を広げ、深みのある歌を歌える人になっていきたいです。
そして今、こうして集中して勉強できる環境を頂けている事に、心から感謝しています。