VIVA ITALIA! イタリア万歳!(藤谷佳奈枝さん)
藤谷 佳奈枝さん/Ms.Kanae Fujitani
(専攻楽器声楽(ソプラノ))
[ 2014.08.12 ]
学校名:イタリア国立パルマ音楽院アッリーゴ・ボーイト大学院
ローム ミュージック ファンデーション奨学生の藤谷佳奈枝です。
大学院修了までに必要な実技、学科試験は全て終わり、パルマでの大学院生活も修了演奏を残すのみとなりました。
<小澤征爾音楽塾カヴァーコンサート モーツァルト『フィガロの結婚』スザンナ役>
私にとってこの1年間で最も大きな収穫は、今年1月にテアトロ・レージョ(パルマ王立劇場)で行われたオーディションに合格し、2月には歴史あるこの劇場でロッシーニ作曲『結婚手形』ファンニー役でデビューすることが出来、本当に嬉しかったです。
ただ、パルマの天井桟敷席のお客様はオペラ黄金時代を観た人達で、耳が肥えていて、いくら有名人でもだめなものにはブーイングするのをこの耳で聞いていたので、不安もいっぱいでした。
<パルマ王立劇場での ロッシーニ『結婚手形』ファンニー役>
<パルマ、ピアチェンツァにてヴェルディの『レクイエム』ソプラノ・ソリスト>
このオペラはレチタティーヴォもあり大変でしたが、イタリア語をしっかり身体に入れ、稽古や本番に臨みました。
デビュー出来た事はもちろん嬉しかったですが、本番後街中で見知らぬイタリア人に何度か話しかけられた際に、
あなたの声とても素敵で、演技もキュートだったわ。そしてイタリア語がこんなに鮮明に聞こえて、まさか日本人だと思わなかった、
と言って頂きオペラの本場イタリアに来て勉強出来て本当に幸せだな、と心から思いました。
<東京春音楽祭 ワーグナー『ラインの黄金』フライア役>
イタリア・オペラで必要とされる『声』はどうあるべきなのか、私はそれを習得したくイタリアに来た理由ですが、言語そのものがもつ音、生活言語がいかに声と密接しているか、イタリアで生活しなければ理解出来ない事も多々ありました。
もちろん、イタリアの音楽院でもドイツ語やフランス語など様々な言語の曲も歌わなければいけないですが、イタリアの伝統がどの様に発展して行ったのか直接肌で感じられました。
5年間の留学生活を活かし、また、高校時代からの目標でもある、人の心を癒す事の出来る歌手になれるよう、これからも勉強を続けていきたいと思います!
<パルマ王立劇場にて稽古>