奨学生レポート RMFレポート ミュージックサロン インタビュー

音楽にできること(山根一仁さん)

山根 一仁さん/Mr.Kazuhito Yamane
(専攻楽器ヴァイオリン/violin)

[ 2013.12.16 ]

学校名:桐朋女子高等学校音楽科(共学)

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の山根一仁です。早いもので音楽高校の3年生になりました。

YMDX3732

 

学校生活も演奏活動も充実した毎日を送っています。
思い返すと、音楽の生活と、チャリティは僕の中で同時にはじまりました。
中学3年生の3月、日本音楽コンクール優勝者ガラ・コンサートの数日後、あの大震災が起こりました。

12日は青森の演奏会予定でしたがもちろん中止となりました。

 

被害の様子を見たり聞いたりしていて僕は今、音楽をしていて良いのだろうか…と悩みました。
そこでまず3月後半に予定されていた演奏会の時に募金を集めて、支援団体に送らせていただきました。
しかし、余震は途絶えることなく起き、演奏会が中止となることも多くありました。

そんな中、僕は主催の方にチャリティ演奏会を提案して、募金活動をしたい旨をお願いしました。
高校1年の夏でした。ソロリサイタルにいらしてくださった750人の方々が、思いを同じにして募金に協力してくださいました。

本当にありがたかったです。募金は、主催の市から被災地に送っていただきました。その時、音楽を学んでいて本当に良かったと感じました。

 

また、最近、小児がんなど病気と闘う子どもたちやそのご家族のためのチャリティ・コンサートに出演する機会をいただきました。
そこで8歳の可愛い女の子と出会いました。その子はいっぱいの笑顔で心をこめてピアノを弾いてくれました。

1歳2ヶ月の時に、がんを発症し長い入院生活を送りご家族の支えの中、今日に至るとのことでした。

僕はその女の子が、これからも心配がなく、安心の中、心も晴れやかに毎日を過ごしていってほしいと願いました。

 

主催の方からは、小児がんをはじめ病気と闘うご本人の辛さはもちろん、それを支えるご家族のご苦労は精神的にも、経済的にも大変であることも聞きました。

そして僕が今、命をいただきこのように動ける毎日の中、何かできないかと改めて考えました。

機会をみて、チャリティなどの社会貢献の手伝いを微力ながら続けていきたいと思いました。
これからも感謝を忘れずに精進していきます。
ありがとうございました。
山根一仁

 

 


音楽の力はすごいものです。実際に被災地で演奏を聴き、多くの方々が涙を流しながら聴いていました。一時的ではあるかもしれませんが、心に癒しを与えることが出来る音楽の力は素晴らしく、その音楽を特別な思いで作り上げる音楽家はつらい時にこそ必要です。これからも素晴らしい音楽を皆さんに届けてください。