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ロンドンでの生活

青木 尚佳さん/Ms.Naoka Aoki
(専攻楽器ピアノ/piano)

[ 2013.04.18 ]

学校名:英国王立音楽大学

ロームミュージックファンデーション奨学生の青木 尚佳です。

王立音楽大学に留学してから1年半が経ちました。

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ロンドンの生活に慣れるまでは少し時間がかかりましたが、今は友達もたくさん出来、ロンドンが第2のホームになったような気がします。

ですがいくら慣れたとは言え、やはり英語でのプレゼンテーションやエッセイは今でも嫌で嫌でたまりません・・・。

提出後の解放感と言ったら・・!(笑)学部生なので実技以外にもアカデミックの分野でやることが多くて大変ですが、たまに仲良しの友人達とご飯を食べに行って思いっきり笑ったり、(イギリスの食事はマズイ、と有名ですが、イタリアンは割と美味しいです。でも、物価が高すぎます・・・。)ミュージカルを観に行ったり、ロンドンでの生活を楽しんでいます。

 

先日、学校はイースター休暇に入りました。

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もうすぐ四月だと言うのにロンドンの気温は0℃、1℃。雪まで降っていてとても寒いです。まだまだマフラーとダウンコートが手放せません・・・。春タームを思い返してみると、1月にはロンドン郊外の個人宅でのリサイタル、オーケストラ、String Quartetと本番が続きました。

特に、今年は室内楽の単位が必修なので今タームはString Quartetの活動が多くありました。室内楽をちゃんと勉強するのは初めてだったので、最初はどうして良いか分からず戸惑いも多かったのですが今はメンバー皆仲良く、学校で合わせをしている時が1番楽しい時間かもしれません。国籍もそれぞれの性格や音色も違う4人の音が1つの『音』になったときは、ソロとは違った特別な達成感が味わえます。

 

 

 
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学校以外のことでは、最近、マスタークラス等でミラノ、パリ、ミュンヘンに行きました。各国それぞれ違う言葉、文化に触れる事ができ、マスタークラスを通じてたくさんの同じ志しを持った仲間が出来ることは一生の宝物になります。

先日、ミュンヘンに行った際に初めてヤンソンス指揮、バイエルン放送交響楽団の演奏を聴いたのですが、あんなに心から感動した演奏会は本当に初めてかもしれません。クレッシェンド1つにしても、ただ音を大きくするのではなく、そこにしっかり意味があって、作曲家やその曲が持つ背景(ベルリオーズの幻想交響曲でした)までもがちゃんと音に現れていました。私もあのようにちゃんと曲を理解して、深く追求していかないとダメなんだな、と改めて思いました。

 

 

 

来月にチャイコフスキーのコンチェルトを演奏します。小さい頃からずっとオーケストラと弾いてみたかった曲をロンドンで弾ける事はすごく嬉しいです。4月、5月と室内楽の本番が続き、7月にはウィグモアホールでの演奏会があります。いつかこの素晴らしいホールでソリストとして弾けるように、そしてミュンヘンで聴いたような心を揺さぶる音楽を奏でられるように、これからも精進していきます。

 

 

 


一番上の画像は何と1万人も入るホールとのことです!すごい規模ですね…。 また室内楽の勉強は、お互いの呼吸を揃えて4人で一つの音楽を作ることはソロとは違った難しさがありますね。様々な人との出会い、素晴らしい演奏との出会い、今後も素敵な出会いが青木さんの糧になっていくことを祈っています。