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2019年度下半期 ヨーロッパでの研鑽と演奏(阪田知樹さん)4/29

阪田 知樹 さん/Mr.Tomoki Sakata
(専攻楽器ピアノ/piano)

[ 2020.07.10 ]

学校名:ハノーファー音楽演劇メディア大学大学院

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の阪田知樹です。
2019年10月初旬に出演し、日本人初の優勝、及び、聴衆賞を頂いたドイツの音楽祭「キッシンジャー・ピアノオリンピック2019」の後にはイタリアに向かい、10月末より11月初旬にかけて講習会に参加して参りました。

<イタリアの講習会にて(最終日のコンサート終了後)>

 

イタリアでありながらイタリア語よりドイツ語が主として話されているので、最初は戸惑いがあったものの過ごしやすい日々でした。

こちらの講習会では特別参加生としてジュニア向けマスタークラスの講師も務めさせて頂くと同時に、通常の参加生と同様に3人のピアニストによるマスタークラス受講を軸に研鑽を積んで参りました。

最終日にはコンサートにて演奏することもできました。

そこでの演奏を高く評価して頂き、光栄にも2月にはイタリアでのリサイタル機会を頂きました。

11月12月は、ハノーファーの大学院にて担当教授レッスンを集中的に受講すると共に、教授より依頼を受け、アシスタントとして生徒さんのレッスンのお手伝いもしました。

自分自身がレッスンを受けるのとは違った視点からの勉強になり、私を指名して下さった先生に感謝です。

1月は日本での演奏会があり、リストとラフマニノフのピアノ協奏曲を国内2都市5回の演奏会で演奏させて頂きました。

どちらの楽曲も自分が高校生の頃から何度も演奏してきている作品ですが、演奏する度に新たな発見があり、作品の素晴らしさに感嘆するばかりです。

私自身が音楽を書く側にも立つこともあって、偉大な作曲家の作品に取り組む際には、演奏家・作曲家の両側面から出来得る限りの多くを学ぶように努めています。

2月には10月に伺ったイタリアにてリサイタルをさせて頂きました。

こちらのリサイタルでは新しいレパートリーなどを中心に演奏し、聴きにいらして下さったお客様にも喜んで頂けたようでした。

こうして一度伺った土地にまた演奏を通じて戻ってくることが出来ることは本当に素晴らしいことだと思いました。

 

<キプロスの国営ラジオ生放送の様子>

 

<キプロスの小中学生に向けてのアウトリーチコンサートにて>

 

その後はレッスンを受けてレパートリーのブラッシュアップをし、キプロスへの演奏旅行に備えました。

中旬のキプロス滞在は、リサイタルのほかに国営ラジオの出演、地元の小中学生に向けてのアウトリーチのコンサートなど短くも充実した日々でした。

リサイタルが行われたキプロスの首都:ニコシアはかつての東西ベルリンのように南北で分断されており緊張感漂う都市でした。

2019年度はご支援頂き、有り難うございます。

ご支援頂いたことにより、こうしてヨーロッパにて様々な形で研鑽を積み、色々な土地で演奏をさせて頂くことが可能となりました。

2020年度も日々精進して参りたいと思います。
ありがとうございました。

 

<演奏会直前のリハーサルにて(サントリーホール)>