奨学生レポート RMFレポート ミュージックサロン インタビュー

新しい旅立ち(上野 明子さん)8/19

上野 明子さん/Ms. Akiko Ueno
(専攻楽器ヴァイオリン/violin)

[ 2022.08.26 ]

ケルン音楽大学

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の上野明子です。

いつも多大なるご支援を頂き心より御礼申し上げます。

この春、ケルン音楽大学国家演奏家資格課程を修了しました。

 

これからは学生ではなく社会人として生きて行くにあたり、寂しい気持ちや不安もありつつ夢や楽しみが入れ混じったなんとも言えない気持ちです。

集大成となる修了試験は良い意味で「試験」という緊張感をあまり持たずに心から楽しむ事ができま した。

日頃厳しくレッスンをして下さった先生からもとても嬉しいお言葉を頂き、これまで頑張ってきて良かったなと思えた瞬間でした。

お陰様で満場一致の最高点を頂き、学生生活の集大成を最優秀の成績で修了することが出来て良かったです。

 

 

ケルン音楽大学と共に二年間在籍していたデュッセルドルフ交響楽団のアカデミー研修も修了し、この夏からは同楽団にて契約団員として弾かせて頂けるこ とになりました。

この春にはスペインツアーでバルセロナ、マドリード、アリカンテで指揮のアダム・フィッシャー氏と演奏し、満員のホールでオーケストラでしか味わえない壮大な音楽を肌で感じました!

楽団の契約に伴いこの夏にケルンからデュッセルドルフへ引っ越しました。

距 離としては電車で30分程度なので大移動ではないのですが、

ドイツは電車の遅延大国なので電車が来なかったり一時間近く駅のホームで待つ事もよくあり、 電車通勤はそう簡単ではありません。

また、ドイツではよくある話ですが家に 洗濯機が設置出来なかったり、自分で家にキッチンを入れないといけなかったりと、引っ越しにあたり日本では考えられないような初めての試練が多かったです。

でも苦労の甲斐がありケルンではずっとコインランドリー生活でしたが、ついに洗濯機が置ける家に引っ越して毎日快適です!

徒歩でホールまで通える喜びと好きな時に家で洗濯できるという当たり前のようで当たり前じゃなかった幸せを噛み締めながら新生活に奮闘中です!

 

 

この7月に一年振りに日本へ帰国しRMFのスカラシップコンサートに出演させて頂きました。

毎夏同世代の皆さんとの再会が楽しみだったので今回で最後と思うと寂しいです。

これまで頂いたご支援のお陰で色々な国でのマスタークラ スや国際コンクールの参加を実現することができ、自分の人生にとってかけがえのない経験を沢山させて頂きました。

修了試験の際に先生が仰っていた「学生のうちは安全なバブルにいるけど、これからが本当の人生の始まりよ」とい う言葉を胸に刻み、

これからもお世話になった方々へ感謝の気持ちを忘れずにその御恩を還元していけるよう今後も精進して参りたいと思います。