ローム ミュージック フェスティバル 2022を開催しました!
RMFレポート
[ 2022.05.23 ]
2022年4月23日(土), 24日(日)に「ローム ミュージック フェスティバル 2022」をロームシアター京都で開催いたしました。
新型コロナウイルス感染拡大の影響による、2020年公演中止、2021年のオンライン配信を経て3年ぶりにお客様をお迎えし、国内外で活躍するローム ミュージック フレンズが様々な演奏を披露しました。
ブログでは、司会を務めていただいた朝岡聡さんからのレポートをご紹介いたします。
<朝岡 聡さん>
3年ぶりの有観客開催となった今回は、改めてお客様と一緒にコンサートが出来上がる歓びを実感するものとなりました。
ソロやアンサンブルの多彩なプログラムの「リレーコンサート」、協奏曲とオーケストラを堪能できる「オーケストラコンサート」。
いずれも水際立った演奏に客席は大いに沸きました。
●リレーコンサートA 萩原麻未ピアノ・コンサート featuring 岡本麻子
萩原麻未と岡本麻子が共同で考えたプログラムは、モーツァルトの2台ピアノのソナタに始まり、ラヴェル、プーランクのフランスものが続き、締めくくりは「くるみ割り人形」の組曲。
気心の知れた2人ゆえに、そのピアノ同士の「語らい」の何と楽しいこと、自然なこと!
お互いを見事に引き立てるあ・うんの呼吸にも魅せられっぱなしでした。
<リレーコンサートAの様子>
●リレーコンサートB 愛しきクライスラー名曲選 ~4人のヴァイオリニストの饗宴~
今をときめく4人のヴァイオリニストが2曲ずつクライスラーを演奏する前半では、それぞれの選曲と表現が実に個性に満ちていて飽きさせない。
演奏者たちの良さをフルに引き出す黒岩航紀のピアノが見事なコンサートの縦糸的存在。
全員で演奏したラストプログラム「シンコペーション」は、洒脱な歌と濃厚なウィーンの香りに酔いました。
<リレーコンサートBの様子>
●オーケストラコンサートI 木・金・弦 3人の名手による協奏曲の祭典
吉田誠のバセットクラリネットが、溢れる感情を心のひだまで描き切る秀逸なモーツァルトを奏でれば、菊本和昭は抜群のテクニックと音色によるフンメルの協奏曲で聴衆を圧倒。
典雅な曲想にあふれる情感を注ぎ込んだ横坂源のチャイコフスキーには、ロマンの香りが満ち満ちていました。
とびきり贅沢な名手たちの楽器の饗宴!
<オーケストラコンサートIの様子>
●リレーコンサートC 管楽器の名手たちが送るアンサンブルの愉悦
まずは楽器紹介を兼ねた10人全員での演奏。和田薫によるオリジナル作品でスペシャル感あるオープニングとなりました。
前半は木管五重奏、後半は金管五重奏のプログラム。
どの曲も、卓越した個人技が繋がり重なって愉悦のハーモニーとなる幸せ。
アンサンブルならではの親密な響きに魅了されました。
<リレーコンサートCの様子>
●オーケストラコンサートII マーラー「巨人」×R. シュトラウス「ティル・オイレンシュピーゲル」
オーケストラの表現をたっぷり、じっくり楽しむプログラムは聴きごたえ十分!
R・シュトラウスの交響詩は「音で読む物語」を鮮やかに描き、マーラー「巨人」では、作曲家自身の内面の成長過程を大オーケストラで体感する歓びを堪能。
丁寧で深い作品へのアプローチのマエストロ角田と新日本フィルのスケールの大きな管弦楽ワールドに、惜しみない拍手が送られました。
<オーケストラコンサートIIの様子>
久しぶりにお客様をお迎えしてのフェスティバルは、アーティスト達にとっても客席との一体感を改めて実感する場となりました。
オンラインライブやアーカイブ配信も行われたほか、ローム・スクエアでは関西の中高生が収録したコンサートや過去のフェスティバル映像も上映。
さまざまな方法と併せて音楽文化を発信した2日間でした。ロームミュージックフレンズの音楽愛は途切れることなく未来へと繋がります。