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コロナ禍の生活(上野明子さん)10/1

上野 明子さん/Ms. Akiko Ueno
(専攻楽器ヴァイオリン/violin)

[ 2021.12.16 ]

学校名:ケルン音楽大学

ロームミュージックファンデーション奨学生の上野明子です。
いつも多大なるご支援を頂き、心より感謝申し上げます。
今年のドイツの夏は例年に比べて比較的涼しく、少しずつ秋の匂いがしてきました。

昨年から続くコロナ渦の生活を半年間振り返りたいと思います。

ドイツでは6月頃まで演奏会の中止が続き、レッスンもオンラインで行っていました。

コンクールもオンライン審査に切り替わり、人前で演奏する機会が減った分録音や録画の機会が多かったです。

録音は音響技師、伴奏のピアニスト、会場と自分の予定を合わせるのに苦労しました。

ロックダウン中はひたすら家にこもっていたので、普段は中々出来ないお菓子作りや刺繍といった新しい趣味を見つけたり、新しい曲にも取り組み、意外と隔離生活も悪くないかも?と思えるような有意義な日々を過ごしました。

昨年からデュッセルドルフ交響楽団のオーケストラアカデミーにも在籍しており、このオーケストラはシンフォニーとオペラ/バレエを半々で演奏しています。

ロックダウン中は無観客配信コンサート行い、無観客での演奏はやはり寂しいものがありましたが、現地にいない家族や友達にも見てもらえるという利点がありました。

ロックダウンが緩和された夏休み前の最後の公演で「セビリャの理髪師」を演奏した時は約8ヶ月ぶりにお客さんを入れて拍手を浴び、演奏者は勿論、聴きに来ていたお客さんの喜んでいる姿を見て改めて芸術は社会にとって必要不可欠なものなのだなと深く実感しました。

9月から新シーズンが始まり、ようやく制限付きでお客さんを入れての演奏会に戻りドイツでも活気のある生活が戻ってきたことが喜ばしいです。

 

この夏は1年半ぶりに日本へ一時帰国し、続けてポルトガルの講習会に参加してきました。

これまでコロナで渡航制限がかかっていたので国外に出たのも本当に久しぶりで楽器を背負いながらスーツケースを転がす感覚が懐かしく嬉しかったです。

選抜コンサートでは美しい馬車博物館が会場に使われとてもワクワクした本番でした。

滞在中のリスボンは毎日快晴でオフの日には海へ行ったり博物館巡りや街を散策し、また必ず訪れたいくらい美しい街でした。

この講習会では賞も頂く事が出来、大変充実した滞在となりました。

コロナも少しずつ落ち着いてきて対面レッスンや演奏会も再開してきたので、目の前の目標を一つずつ丁寧に取り組んで精進していきたいと思います。