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2021年前期活動報告(橘和美優さん)9/29

橘和 美優さん/Ms. Miyu Kitsuwa
(専攻楽器ヴァイオリン/violin)

[ 2021.11.19 ]

学校名:東京藝術大学

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の橘和美優です。
1月から9月まで、沢山のコンクールや、演奏会に出演させていただきました。

 

特に年始は、室内楽に力を入れて取り組みました。
今まで、主に学校の授業や行事等でしか、室内楽に取り組んだ事がありませんでした。
ですが、室内楽でアンサンブル能力を高めるという事が、今年の1つの目標でもあり、積極的に室内楽のコンクールや、セミナーに参加させていただきました。
 
トリオでは、高校の同級生で組んでいるジェンティーレトリオで、ザルツブルクモーツァルト国際室内楽コンクールに出場し、最高位を頂きました。
室内楽のコンクールを受けるのは初めてで、最初は、ソロとの両立がとても難しく、合わせや室内楽の練習にどの程度時間を作ればいいのか、ソロを優先するべきなのか、また準備期間もとても短かく、その中で練習をし、合わせをするというとてもハードなスケジュールに、悩む事もありました。
ですが、高校生の頃から組んでいる事もあり、メンバーの2人とはとても仲が良く、演奏面でも遠慮する事なくお互い意見を出し合ったり、時には相談を乗ってもらい、スムーズに準備を進める事ができました。

本番では、練習の時以上に生き生きとした演奏ができ、人と一緒に演奏することの楽しさや、音楽が楽しいものだという事を実感する事ができました。
 
また、大学の時から組んでいるアーテムカルテットでは霧島音楽祭マスタークラスを受講させていただきました。

初めてのカルテットでのマスタークラス参加でした。

全員がPCR検査をしての、霧島参加で、大変な中での参加でした。

カルテットでは、他のメンバーとの音楽の感じ方や音楽作りの方法が自分とは全く違い、理解し合う事の難しさや、自分の意見の伝え方など、カルテットの難しさをとても感じました。

メンバー同士でぶつかる事もありましたが、その分学ぶ事が沢山あり、自分に足りない物を痛感し自分の未熟さを見つめながら成長することができました。
レッスンで学ぶ音楽的な事の他にも沢山の事を学べた1週間となりました。
 
また、カルテットでは、ビオラスペースにも参加させていただきました。

ビオラスペースでは、ホールでのレッスンという事で、練習室でやるレッスンとは違い、ホールでの響き方、音色の作り方など、普段教えて頂く事ができないこと沢山学ぶ事ができ、とても勉強になりました。
 
ソロでは、リサイタル IN福井で、小学4年生から着いている、ジェラールプーレ先生のリサイタルに連れて行って貰い、 憧れのプーレ先生のリサイタルで、ヴィエニャフスキのファウストによる幻想曲を弾かせて頂きま した。

プーレ先生は、全身から音楽に溢れ、生きる歓びそのものを表現していて、プーレ先生の演奏を聴いて、お客様がスタンディングオベーションで喜んでいる姿をみて、改めて先生の様な人の心をプラスへと 持ち上げられる演奏家になりたいと思いました。

コンクールや、試験の為の練習をする事が多いのですが、改めて音楽とは何か、バイオリンを演奏し、それを職業にするとは、どういう事なのか。何の為に練習をし、何の為に演奏をするのか。という本質的な問いの答えを、先生が、言葉ではなく肌で感じさせてくださいました。
人間的に未熟な私がそこまで到達する事が出来る事は、とてつもなく難しい事ですが、そこを目標に日々精進を重ねて参ります。

 

東京音楽コンクールでは、第2位と聴衆賞をいただきました。
本選では東京フィルハーモニー交響楽団と演奏させて頂きました。
とても大きなホールで、オーケストラバックに演奏するのは、普段とはテンポ感や聴こえ方が全く違い、中々合わせる事ができなかったり、自分の音がどこまで聴こえているのかなど、いつもよりも意識しなければいけないことが多く、リハーサルではとても苦労しました。
ですが、本番では自分が今まで練習して来た事にこだわり過ぎず、オーケストラをよく聴き、集中して、演奏する事を心がけ、演奏する事ができました。
そういった経験一つ一つが勉強になり、また成長する事ができたと思います。
 
これから、また演奏会やコンクールなど、沢山勉強させていただく予定です。
その中で、上記に書かせていただいた事を無駄にせず、生かしていける様に努力し、さらに成長していきたいと思います。