新たな音楽の伝え方を探す2021年(齋藤優貴さん)5/31
齋藤 優貴さん/Mr.Yuki Saito
(専攻楽器クラシックギター/classical Gt.)
[ 2021.09.17 ]
学校名:フランツ・リスト・ワイマール音楽大学
ローム ミュージック ファンデーション奨学生の齋藤優貴です。
いつも皆さまからの多大なるご支援を心から感謝しております。
前回はコロナ渦でのドイツでの留学生活についてお伝えしましたが、そこから少しずつ様々な活動を現在の状況に合わせてアップデートをしております。
今回はそれらの新しい試みや、現状が戻りつつあるヨーロッパの様子をご報告します。
1つ目の大きな変化は、コンサートのかたちについてです。
3月は日本(大阪&神戸)でローム ミュージック ファンデーション2018年度奨学生の山田唯雄さんとのジョイントリサイタルを開催いたしました。
両公演ともオンラインでのライブ配信やアーカイブ動画の配布など、会場にお越しいただけないお客様に向けてのコンテンツを準備したことで、より多くの方々に演奏を楽しんでいただくことができました。
これからの音楽家は、配信の設定や音響についてなどのノウハウも勉強をしていくことが大切だなと感じつつ、日頃のコンサートなどでお手伝いしていただくスタッフの方々のご尽力に改めて感謝の気持ちを持つ機会となりました。
<山田唯雄さんとのコンサート>
2つ目の変化は、レッスンのかたちについてです。
前回は大学でのオンラインレッスンの様子をお伝えしましたが、最近から日本の方々に向けた無料のオンラインレッスンを提供しています。
こちらはレッスンの様子をYouTubeで公開することで、誰でも自由に様子を見学ができることが最大のメリットとなっており、自分自身や受講者だけでなく多くの人が同時に音楽を学べる環境を作ることを目標としています。
レッスンの様子は下記のリンクからご覧いただけます。また受講者も募集していますので、ギター歴問わず誰でもぜひぜひご参加ください!
https://youtu.be/3i3sUCpvbAo
3つ目は小さなことですが、数ヶ月前から授業でヴィオラ・ダ・ガンバを習い始めました。
主にバロック時代に使われた擦弦楽器ですが、クラシックギターではバロックなどの古楽も演奏することがあるため、実際に楽器を使って音の響きや演奏法などを勉強することはとても大切です。
実は以前に少しだけコントラバスを弾いていたことがあるのですが、同じ弓を使う楽器でも構え方などが異なるため予想以上に苦戦しています。ゆっくり楽しく古楽の世界に少し足を踏み入れていければと思います。
<ヴィオラ・ダ・ガンバを持って>
さらに、このレポートを書いている数日前に久しぶりのヨーロッパでのコンサート出演がありました。
スペインのアルバセテという街のホール(19世紀前後に議会などで使用されていたそう)で、地元のお客様に日本のレパートリーを含む1時間ほどのプログラムをお届けしました。
ソロコンサートは久々だったためかなり緊張したり、またマスクを着用しての演奏は不便も多くありましたが、また舞台で演奏できる喜びに包まれた有意義な時間でした。
<アルバセテのコンサート>
<コンサート会場を外から>
2020年度は環境の変化が激しく、これまで続けていた活動や生活がとても困難になる場面が多くありました。
思い悩んだり精神的に苦しい時期もありましたが、そんなときでも常に音楽や楽器は隣に寄り添っていました。
まだまだ厳しい状況は続きますが、多くの方々に心の支えとなる音や環境をお届けできるよう、これからも精一杯音楽とともに歩んでいきたいです。
日本で皆さまとお会いできること、また演奏をお聴かせできることを楽しみにしております。