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充実した夏の音楽旅(小野田有紗さん)10/3

小野田 有紗/Ms. Arisa Onoda
(専攻楽器ピアノ/piano)

[ 2020.01.27 ]

学校名:英国王立音楽院

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の小野田有紗です。

今年の夏は沢山の貴重な経験ができ、本当に充実した夏でした。

 

<コンサート後にケヴィンケナー先生と>

 

まずは、アメリカマイアミにてショパン音楽祭に参加しました。

ケビンケナー、ダンタイソン、ポポワズィドロン先生などショパンのスペシャリストに囲まれながら、毎日行われるコンサートやレクチャー、マスタークラスで沢山の刺激を受けました。

私はエッシャーカルテットと共演させていただいたり、ソロでも演奏しました。

また、マズルカやポロネーズなどの踊りをポーランドのダンサーの方から教えて頂く機会があったり、X JapanのYOSHIKIさんのトーク&マスタークラスがあったりと盛りだくさんな日々でした。

 

 

前回のレポートでは、アメリカサウスカロライナで野生のワニと遭遇した写真を載せましたが、今回はなんとイグアナと遭遇しました!笑

<ホール近くで出遭ったイグアナ>

 

8月には、ジュリアード時代の恩師、チュンモカン先生のレッスンを受けに韓国へ飛びました。

12歳の頃からお世話になっている先生で、いつも音楽的にも技術的にも理論的にもあらゆる面から演奏のアドバイスをくださるので、自分の作品の理解も深まり音楽の方向性も明確になります。

 

<レッスン風景>

 

韓国からロンドンに3日ほど戻った後、今度はポーランドへ。

尊敬するピアニスト、ラファウブレハッチさんに演奏を聴いていただける機会が訪れたのです。

レッスンだけでなく、食事の時間や外を歩いている時にも沢山の音楽の話をして下さり、雨の日には、「今日はショパンの『雨だれ』の日だね。」「でもちょっと強すて『暴雨』になっちゃいそう(笑)」と冗談を言いあったり、とても幸せな時間でした。

そして、ポーランドから帰りのフランクフルトまで同じ便でなんと隣の席!

さらに、サインとメッセージを書いてくださったCDとショパンプレリュードの自筆譜をプレゼントしてくださり嬉しさと驚きでいっぱいでした。

この日は本当に最高な日で、フランクフルトから日本へ飛ぶ飛行機で今度は、ずっと夢だったコックピットの中に入らせてもらえたのです。

もしも音楽をやっていなかったらパイロットになりたいと思っていた時もあるくらいに飛行機が好きな私は大興奮でした。

 

 

9月に入り、ロンドンに戻る日、台風が直撃し、名古屋から東京には飛べたものの、羽田空港でロンドン行きが遅延になり10時間ほど待った後、なんとキャンセルになり日本を発てず。

翌日の便でなんとかロンドンに辿り着き、次の日のロンドンでの演奏会に間に合い安心しましたが、家を出てからロンドンまで48時間ほどかかるという長旅でした。

 

移動が多い演奏家ですが、空港や飛行機が好きな私にとって移動日は束の間の休暇のようで、演奏家としての意外な強みかもしれません。

2ヶ月間アメリカ、日本、ロンドン、韓国、ポーランドと様々な国で勉強し、沢山の素晴らしい音楽家に出会い、刺激をもらいました。

この経験を活かして今シーズンも真摯に音楽と向き合って、人として音楽家として成長していきたいと思います。