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三年目のケルン生活(上野明子さん)5/2

上野 明子さん/Ms. Akiko Ueno
(専攻楽器ヴァイオリン/violin)

[ 2019.08.8 ]

学校名:ケルン音楽大学

ロームミュージックファンデーション奨学生の上野明子です。
4月になっても寒い日が続きいつ春が来るのかと思いきや、気付いたら半袖で過ごせる気候になり日も長くなってきました。

ドイツの桜は日本よりも色が濃く青空とピンクの桜と緑の草原を眺めてるだけでなんだか元気になれます。(しかも花粉に苦しまずにお花見が出来る…!)

<晴れた日のライン公園>

 

 

この冬は今までの留学経験の集大成ともいうべきケルン音楽大学の修士課程修了試験があり、無事最高得点で終えることが出来ました。

この試験は1時間のリサイタル形式で留学中にレパートリーを積極的に増やしたかったこともありストラヴィンスキーのディベルティメントなど、初めて取り組んだ曲を多く取り入れてみました。

試験の前日に先生から応援の電話がかかってきたり友達から沢山のメッセージをもらったり日頃切磋琢磨している仲間が皆で聴きに来てくれたり、改めて周りの環境に恵まれた生活の中で過ごせたことを実感しました。

実技の修了試験は終えたもののまだ室内楽や他の試験が残っているので引き続き気を引き締めて取り組もうと思います。

 

3月にはドイツの楽器財団のオーディションに合格し12年間弾いていた自分の楽器から一旦離れ、憧れたっだオールドの楽器を使わせて頂けることになりました。

楽器が変わると当然音や奏法も変わってくるので物凄く新鮮で練習が楽しく感じることもあります…!

これから先もっと仲良くなっていくのが楽しみです。

 

 

<楽器貸与式の後>

 

4月には昨年の夏にも訪れたイタリアのモンテプルチャーノへ再び足を運びました。

今回はKammermusikwoche(室内楽週間)と言うドイツのノルトライン=ヴェストファーレン州内の音大生が集まる一周間室内楽漬けの日々を過ごしました。

私は現在組んでいるデュオと即席メンバーのピアノトリオの二つのグループでレッスンを受け、即席メンバーと弾くのはいつもドキドキしますが意見を出し合い刺激的な時間でした。

毎日レッスンが二つずつとその合間にそれぞれリハーサルという過密スケジュールでしたがとても楽しく充実した生活でした。

今回も前回に引き続きワインテイスティングが組み込まれていて、4種類試飲した後に「今からベートーヴェン弾こう!」とピアニストに誘われ普段とは違う感覚でリハーサルをしたのも良い思い出です(笑)

 

<イタリアにてトリオの受講生コンサート>

 

イタリアから帰ってきてからはケルンのGürzenich Orchester(ギュルツェニヒ管弦楽団)のオペラ公演に参加しています。

このオーケストラはブラームスのドッペルコンチェルトを初演した事でも知られている歴史あるケルンのオーケストラで、日本でもプロオケで弾いたことがなかったので始めは不安でしたが、団員の皆さんの優しさに助けて頂きながら勉強させてもらっています。

オーケストラピットで演奏するのは3年前の小澤征爾音楽塾のオペラプロジェクト以来で舞台裏のセットなど含め普段のソロの練習とは違った世界で新鮮です。

これまでロームミュージックファンデーションのご支援を頂き沢山の貴重な経験をさせて頂き本当にありがとうございました。

この経験を糧にお世話になった方々へご恩返し出来るようこれからも日々精進して参りたいと思います。

 

 


オールド楽器の使用、これからが楽しみですね! 色々なところでの経験が活かしていけているようで何よりです。これからも頑張ってください!