奨学生レポート RMFレポート ミュージックサロン インタビュー

刺激的な日々。(小野田有紗さん)4/30

小野田 有紗/Ms. Arisa Onoda
(専攻楽器ピアノ/piano)

[ 2019.07.22 ]

学校名:英国王立音楽院

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の小野田有紗です。

前回のレポートから約半年が経ちました。
2019年に入ってからも、沢山の素晴らしい音楽家のレッスンを受ける機会に恵まれています。

<パスカル・ロジェ先生のレッスン>

 

まず、フランス音楽の巨匠であるパスカル・ロジェ先生。
実は初めて先生に聴いていただいたのが13歳で、それから10年、日本、ニューヨーク、ロンドンと場所は変わりながらもいつも温かく魔法のようなレッスンをしてくださいます。

ロジェ先生の存在や先生からの言葉がなければ、今の自分はいないと思っています。

今回はドビュッシーとラヴェルをレッスンしていただきましたが、隣のピアノで弾いてくださる音楽があまりに美しく、吸い込まれてしまいそうなほどに幸せなひと時でした。

 

<イモージェン・クーパー先生と>

 

そして、イモージェン・クーパー先生とオリット・ウォルフ先生にはベートーヴェン協奏曲4番を聴いていただきました。
あのアルフレッド・ブレンデルの愛弟子でもあったクーパー先生のレッスンでは、洗練された構成美やシンプルな中でのベートーヴェンの表現方法などに改めて気づかされました。

一方、ウォルフ先生からは、一曲がストーリーを伝えるような、ドラマがあり説得力のある演奏をするためのヒントをたくさんいただきました。

 

さらにヴァイオリニストとのデュオではジェームズ・エーネス先生のマスタークラスを受けさせて頂きました。

演奏家がその作品を「使って」何か表現するのではなく、その作品に既にあるシンプルな美しさ、休符の緊張感、ハーモニーのサプライズなどを「自然に」表現することの大切さを実感する特別な時間でした。

 

なんとここまでのレッスン・マスタークラスの記録は全て新学期が始まって2週間の内の出来事です。

相変わらず毎日が充実していて、あちこちから降ってくるヒントを吸収して自分の新たな引き出しにしようと奮闘しています。

 

 

<ヒルトンヘッド国際ピアノコンクールにて>

 

3月にはアメリカのヒルトンヘッド国際ピアノコンクールに出場し、メダリスト及び特別賞を頂くことができました。

230名を超えるピアニストから予備審査で20名に絞られ、ヒルトンヘッドで演奏ができることはとても光栄で楽しみにしていましたが、もう一つ思い入れのある理由がありました。

実は6年前にも一度このコンクールに申し込みをして20人の一人として選んで頂いたにも関わらず、大きな病気になってしまい棄権せざるを得なかったのです。

なので、今回ようやくヒルトンヘッドに行けて、健康な体で演奏活動が出来る現在がとても幸せだと改めて思いました。

 

ヒルトンヘッドでは、本当に温かいホストファミリーや聴衆の方々に囲まれて、最高の時間を過ごすことができました。

さらに初めて野生のワニに遭遇したり、玄関に鹿が3頭やって来たりと壮大な自然も体感できました。

 

<初めて見た野生のワニ ヒルトンヘッドにて>

 

音楽でも、それ以外でもまだまだ知らない世界があることが自分をワクワクさせてくれます。

これからも目を輝かせながら、楽しんでたくさんの経験をしていきたいと思います。そしてその経験を音楽に活かしていきたいです。

 


海外にいると学ぶ機会がたくさんありますね!ワニも海外ならではですかね… コンクールでの特別賞もおめでとうございます!