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国境を越えて(荒井優利奈さん)1/31

荒井 優利奈さん/Ms. Yurina Arai
(専攻楽器ヴァイオリン/violin)

[ 2019.04.15 ]

学校名:ウィーン国立音楽大学

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の荒井優利奈です。

ウィーンに留学して2度目の冬がやってきましたが、ウィーンは毎日雪が降ったりと、とても寒い日が続いていますが、時折みえる青い空に元気がもらえます。

 

<上海でのリサイタル>

 

この半年間は様々な国で演奏する機会に恵まれ、大変充実した生活を送ることが出来ました。

まず一つ目は、初めての海外でのリサイタル。

私にとって2回目の中国、11月に上海でリサイタルをさせていただきました。

上海東方芸術センターという著名な演奏家やオーケストラなどの演奏会が頻繁に開催されるホールで演奏させていただく機会をいただきました。

最初は「誰が聴きに来てくれるのだろう」と何よりも心配だった集客も想像をはるかに超えるたくさんのお客様に聴きに来ていただけ、大変素晴らしい経験をさせていただきました。

実は1回目に上海に訪れた際に、中国人の気の強さ、お水に当たりお腹を壊してしまったりの衛生面の悪さ、タクシーでぼったくられたり目的地に行く途中で急に降ろされたり…など正直あまりいい印象を持てずにいたのですが、今回の上海での滞在は前回感じた中国の印象とは全く違った素晴らしさを感じました。

何よりもありがたく思ったことは、国境を超えた日本人である私の演奏会にたくさんの方々が足を運んで下さったことです。

演奏も無事に終わりたくさんのお客様から温かい拍手をいただき、温かい言葉をかけにきてくださったことは今でも忘れられませんし、感謝の気持ちでいっぱいです。

そして12月には、ウィーン国立音楽大学のオークストラプロジェクトでパリ公演ツアーに行ってきました。

この公演はパリ国立高等音楽院の学生との合同演奏会でフランス人作曲家の小品とブラームスのドイツレクイエムをアンヴァリット教会で演奏しました。

 

<アンヴァリット教会でのコンサート>

実はドイツレクイエムは私が芸高3年生の時の定期演奏会で演奏した思い出の曲でした。

その時は全曲ではなく抜粋だったのですが、今回のツアーでは全曲演奏することができ、そしてウィーンに留学をしたことでドイツ語も勉強しレクイエムの歌詞の意味もわかるようになり、この曲の深み、喜び、苦悩、希望など前よりも理解出来るようになり、以前よりもこの曲の素晴らしさを実感することができました。ツアー中は、自由時間もあり大学の友人たちとパリを観光することも出来とても有意義な滞在になりました。

1月にはウィーン国立音大での学部終了試験も無事に終わり、3月からは修士課程で学ぶことになっています。

このようにまだ勉強を続けさせていただけているのは、ロームミュージックファンデーション様をはじめ、たくさんの方々からご支援をいただけているからだと実感しております。

感謝の気持ちを忘れず、これからも日々精進して参りたいと思います。

 

<エッフェル塔>


音楽は国境を越えてコミュニケーションするツールということが実感できますね。 日本だけでなく世界各地でたくさん音楽活動できるよう祈っています。