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モスクワより、音楽に寄せて(梅﨑 秀さん)3/11

梅﨑 秀さん/Mr.Shu Umezaki
(専攻楽器ピアノ/piano)

[ 2023.03.17 ]

チャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の梅﨑 秀です。

 

モスクワは、3月といっても日本の春のようなカラフルな時期ではありません。

しかし私は、見慣れない光景全てが美しく、充実した毎日を送っております。

 

 

 

この地で過ごしていると、チャイコフスキー作曲の”四季”の景色が目の前に見えてくるような気がします。

今の環境で学ばせて頂くことの1番の魅力は、何時何時でも自分を奮い立たせる原動力を貰えるところです。

 

具体的には、週3回ほどのレッスン、大小様々な沢山の本番などのおかげで、常に強い向上心で成長することができます。

この環境は、今まで自分の中で抱えていたジレンマを克服できると信じています。

 

そしてもう1つの魅力として、市内には大きな娯楽施設が少なく、その代わりに演奏会・バレエ・演劇・サーカスなどの沢山の公演があります。

この環境は人々の足を自然と芸術振興に向かわせてくれ、こんなにも音楽家、芸術家にとって幸せな街は無いのではと感じます。

私自身も休日には様々な公演などに足を運んで、日々良い刺激を受けております。

 

 

私が留学予定であった2020年3月は、大学卒業の年、そして丁度新型コロナウイルスが流行りだした頃でした。

それにより1年留学を延期、やっとの思いで2021年9月にスタートすることが出来ました。

 

そんな心躍った最中、2022年2月にロシア・ウクライナ問題が起こりました。

この状況に対し、周囲からの心配は勿論ありました。

しかし、やっと辿り着いた憧れのモスクワ留学生活を過ごすうちに、この地で勉強したいという思いは更に増し、その気持ちを周囲に伝え反対を押し切り、今この地で留学を続けております。

 

 

 

現在の具体的な勉強内容としましては、次の国際コンクールに向け、今までやった曲も追求しながらレパートリーを増やしている次第です。

私の演奏をモスクワで聴いてくださる方々、日本で聴いてくださる方々の愛情を無駄にせぬよう邁進していく覚悟です。

私の音楽が、少しでも心に届き、幸せに繋がればと願って止みません。

 

ロームミュージックファンデーションの奨学金が、私の背中を押してくださったことは、間違いないと心より感謝しております。

 

どのような状況であっても、音楽は人の心を繋ぐと確信します。

ロシアで学んでいると、様々な国の仲間とお互いを高め合うことが出来、世界中にロシア音楽をはじめ、音楽にしかできない心の融解を届けられると思います。

そのために自分を律し、心を広げ、常なる努力を忘れないよう日々勉強して参ります。

今後ともよろしくお願い申し上げます。