郷古 廉 Sunao Goko （ヴァイオリン）

＜出演にあたってのコメント＞
2020年、夥しい数の演奏会や音楽祭が中止を余儀なくされたなか、延期という形でまた参加する機会を頂けたことに、心から感謝しております。

芸術そのものの意義、また芸術家として生きることの意義は、常に時代を反映してきました。コロナ禍において人類は大きな犠牲を払いつつ、しかし必ずや新しい世界を構築していくことでしょう。この地球規模の大事件を目の当たりにして、私たちはどう生きるべきなのか。壮大な問いのようで、緻密で単純な問いでもある。立ち止まった足を一歩前へ踏み出す時のように、答えは明快なものなのかも知れません。

ベートーヴェンの音楽は、人類のための音楽です。厳しい問いを投げかけながら、時代を超えて我々を力強く鼓舞する彼の精神を、今こそより多くの方々と分かち合いたいと思っています。