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BP35A1 : Wi-SUN対応920MHz Sub-GHz無線モジュール:様々な機器にWi-SUN通信を簡単に導入できる

2016.09.13

ロームのBP35A1は、業界初の(2014/4/4時点)Wi-SUN対応通信モジュールです。Wi-SUNは、IoTやM2Mを始め、スマートメータ、HEMS、HANなど、様々なスマートコミュニティに最適な日本発国際無線通信規格として注目されています。BP35A1は、例えばスマートメータ専用といったようなアプリケーションの限定はなく、様々な機器にWi-SUN通信を実装するための汎用通信モジュールです。Wi-SUN通信に必要なハードウェアとファームウェア搭載し、アンテナ内蔵および国内電波法認証を取得済みなので、高周波設計やドライバー開発の必要はなく、簡単にWi-SUN通信を導入できます。

低消費電力で長距離通信が可能なWi-SUN通信

Wi-SUN(Wireless Smart Utility Network)は、920MHz帯を使う特定小電力無線Sub-GHz無線とも呼ばれる)の国際規格で、物理層IEEE802.15.4g、MAC層IEEE802.15.4eで規格化されています。スマートメータとHEMSをつなぐBルートとへの採用で話題になり、現在ではHEMSと家電や太陽光発電システムなどの各機器をつなぐHAN(Home Aria Network)の仕様「Wi-SUN HAN」も策定されています。

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920MHz帯を利用する特定小電力無線/Sub-GHz帯無線は、2.4GHz帯を利用する無線LANなどに比べて以下の特徴があります。

  • ・周波数帯の特性から電波の回折など伝搬特性に優れ通信距離が長い。目安で無線LANが200m程度に対し800mまでの通信が可能。
  • ・伝送速度は、数Mbps~の無線LANのように動画など大量のデータを高速伝送するのには向かないが、それでも100kbpsと比較的高速な部類であり、センサなどのデータ伝送に適し、なによりも低消費電力である。
  • ・外来ノイズに比較的強く、Bluetoothや電子レンジなど2.4GHz帯を利用する他の無線機器の干渉の影響が少ない。

もちろん、Wi-SUNもこういった特徴をもった通信であり、今後IoTの無線通信手段として、スマートメータ/HEMS/HANの関連だけではなく、様々な機器での利用が期待されています。

Wi-SUN通信の実装を簡単にするBP35A1モジュール

IoTを考える場合、無線通信は必須です。しかしながら、誰もが無線通信機能を機器に実装するための無線/高周波技術や必要事項の理解、そしてそのためのリソースを持ち合わせているわけではありません。場合によっては、無線機能の搭載がIoT機器開発や市場参入への障壁になりかねません。

Wi-SUN無線通信機能を機器に実装するには、高周波設計、物理層とMAC層の規定に基づくスタックとドライバーの開発、技術基準適合証明(技適)など電波法上の手続き、そしてWi-SUNアライアンスによる相互接続テストを受けて機器認証を取得する必要があります。正直なところ無線の下地のないメーカーが、これだけのことをするのはかなり難しいと思います。

この課題を解決するソリューションの一つは、これらすべての作業が不要なモジュールを利用することです。

BP35A1は、Wi-SUN通信に必要なハードウェアはもちろん、ソフトウェアも組み込んであるので、ユーザは高周波設計、そしてドライバー設計は不要です。また、電波法やアライアンスの認証取得も済んでいますので、関連の試験や手続きも不要です。さらに、アンテナも内蔵しているので、設置位置を決定し接続をして、すぐに評価を開始できます。

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