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IoT無線通信の新分野として期待されるLPWA無線 Part 2

標準化されている
LPWA無線の特徴を比較

注目ワード
  • LoRa
  • SIGFOX
  • 標準化されているLoRaWAN
  • LoRaアライアンスによって標準化
  • CSS
  • SIGFOX社
  • DSSS
  • IEEE802.15.4k
  • 妨害波耐性

-いままで見せていただいた図には、すでにいくつかのアンライセンスドLPWAの無線方式名が記されています。それぞれ、どんな特徴があるのか教えてください。

LoRaSIGFOXは、すでに多くの人がLPWAの通信方式名として聞いたことがあるのではないかと思います。実際、先行していることは事実でプロトコルスタックが標準化されています。それぞれの特徴を説明していきますが、LoRaについては標準化されているLoRaWANで話を進めます。それぞれの特徴を比較できる表を用意しました。

アンライセンスドLPWA無線の特性比較。

最初によく目にするLoRaWANとSIGFOXから説明します。最初にLoRaWANですが、LoRaアライアンスによって標準化され公開されているプロトコルスタックがありますので、それで通信を構築するのがLoRaWANです。LoRaWANの優位性は、アライアンスメンバーが多く、採用実績も多いということです。メンバー数は全世界で300を超えていると聞いています。メンバーの中には、IBM、CISCOを始めとした各レイヤのメンバーが参画しています。

技術的には、スペクトル拡散の一種であるCSSと呼ばれるChirp Spreading Spectrumを使って長距離化を行っています。CSS拡散ゲインによりデータレートを落としつつ、リンクバジェットを向上させています。これは後で説明するIEEE802.15.4kのDSSSと同じスキームですが、妨害波耐性はDSSSには及びません。

SIGFOXは世界中で多くの実績があり、すでに30か国以上のサービス展開がされています。SIGFOXはLoRaアライアンスのような標準化団体ではなく、LPWAに特化したグローバル通信事業者でフランスのSIGFOX社が提供しているものです。SIGFOX社が物理層からプロトコルスタックまでの実装を行い標準化しています。

サービススキームとしては他の2つの自営とは違い公衆であり、さらに一国一事業者というスキームを導入しています。日本ではKCCSが事業展開しています。このビジネススキームは携帯電話と同じであり、SIGFOXのユーザは端末だけ契約して用意すればサービスエリア内で通信が可能になります。

-SIGFOXは、アンライセンスドLPWAでありながら通信事業者が展開する基幹ネットワーク向けのサービスなのですか?

そういう位置付けと考えて構いません。これは、弊社のLPWA向け無線通信LSIの開発コンセプトにも関わる重要なポイントですので、後ほどあらためて説明させてください。

-わかりました。それでは、残りのIEEE802.15.4kですが、聞きなれない方式です。

IEEE802.15.4kはIEEEの規格で、実は、無線業界の中では素性の優れたLPWA無線方式として注目されている方式です。その理由は、長距離化手法としてDirect Sequence Spectrum Spreading(DSSS)を使用していることにあります。DSSSを採用したことによりIEEE802.15.4k無線は、非常に高い妨害波耐性を持っています。DSSSは、送信側で元信号を特定の拡散コードによりノイズレベルにスペクトル拡散し、受信側で同じ拡散コードにより逆拡散し元信号に復元します。受信側の拡散コードが送信側と異なると復元されず、他の信号が受信側に入ってきた場合は逆拡散によりノイズ化してしまうので、同一システムの妨害波だけでなく、他システムの妨害波に対しても高い耐性を持っています。この図は、左から通常の拡散/逆拡散、拡散信号が異なる同一システム妨害波の場合、そして他システム妨害波の場合の耐性イメージです。

IEEE802.15.4kが採用したDSSS方式は高い妨害波耐性を持つ。

-一通り説明いただいたので、今度はラピスセミコンダクタのLPWA対応に話を移したいと思います。

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