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世界対応 Sub-GHz帯 無線通信LSI : ML7345業界トップクラスの無線性能と環境安定性、大幅な消費電流削減を実現

2017.08.29

ラピスセミコンダクタのML7345は、世界各国で使用されるSub-GHz帯域(160MHz~960MHz)をカバーする無線通信LSIです。業界トップクラスの無線性能と環境安定性を備え、平均消費電流を大幅に低減することが可能です。

近年、世界でスマートメータの設置が進んでいますが、Sub-GHz帯域を利用しつつも各国で異なる周波数や方式が採用されています。また、IoTの一環として、建物の照明や空調の最適制御、防犯および防災、農業での収穫量向上など、無線ネットワークを用いてデータを収集し利用するシステムの具体化が加速しています。ML7345は、この状況に対して1つのLSIでの対応を可能にし、これらのアプリケーションが要求する低消費電力で安定した長距離無線通信を提供するために開発されました。

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ML7345は、世界各国のSub-GHz帯域をカバーしつつ、業界トップクラスの無線性能と環境安定性を備え、そして、平均消費電流の大幅な削減が可能です。

業界トップクラスの環境安定性:温度依存±1dB以下を実現

ML7345は、高周波増幅器の改良によって、送信パワーの変動が動作保証全温度範囲内で±1dB以下という、一般品に比べて3倍以上の高安定性を実現しています。これは、マルチホップを使うスマートメータなど複雑な無線ネットワークを用いるアプリケーションにおいて、温度環境の変化に対するマージンを軽減することができるので、中継器の削減などネットワークの簡素化、コスト削減に寄与します。

また、比較的簡単な無線ネットワークを用いる防犯や防災などのアプリケーションにおいても、環境変化に対しても安定した信頼性の高い通信環境を構築できます。

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高速電波チェック機能とスリープ電流削減で平均電流を大幅に削減

ラピスセミコンダクタのコアテクノロジーの1つである低消費電流設計技術により、通信の大半を占める待ち受け動作における平均消費電流を、ラピスセミコンダクタの従来品と比較して、10秒間隔での待ち受け動作時で48%削減しました。

これは、独自の高速電波チェック機能により受信起動に要する時間を短縮したこと、受信強度検出までのトータル時間を約1msecに最小化したこと、さらに内蔵タイマのみがオンしているスリープ時の消費電流を、従来品の58%削減となる0.9μAに低減したことで実現しました。これによって、システムの低消費電力化と、機器の電池動作時間を延ばすことが可能です。

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設計のためのサポートを用意

LSIからの無線機器設計には、設計をサポートするツールが有用です。サポートツールとして、ML7345を搭載した評価キットを用意しています。評価キットには、サンプルプログラム(簡易MAC)と各種テストシナリオ、小型モジュール用のリファレンス設計データ(回路図、周辺部品リスト、推奨PCBパターン)が含まれています。また、ラピスセミコンダクタのウェブサイトのサポートページから、様々なマニュアルやツールをダウンロード可能です。

ML7345 / ML7345Cの主な仕様
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