EnOcean|基礎編
ERPのプロトコルスタックと電気的仕様
2018.08.28
この記事のポイント
・ERP2では、OSI参照モデルの物理層、データリンク層、ネットワーク層に相当する部分が規定されており、
トランスポート層、セッション層に相当する部分は使用していない。
・ERP2における変調方式はFSK、データレートは125kbps、日本向け無線周波数は928.35MHz。
ここからは、EnOcean無線通信のプロトコルであるERP(EnOcean Radio Protocol)について説明していきます。今回は階層と電気的仕様について、次回以降にテレグラム構造、フレームとサブテレグラム、サブテレグラムタイミングの説明を予定しています。
ERP(EnOcean Radio Protocol)のプロトコルスタック
ERPは前回説明したようにEnOcean Radio Protocol略で、EnOcean無線通信規格です。現状はERP2が最新バージョンです。以下はEnOcean通信のOSI参照モデルに基づくプロトコスタックです。
ERP2では、OSI参照モデルの物理(Physical)層、データリンク(Data Link)層、ネットワーク(Network)層に相当する部分が規定されており、トランスポート(Transport)層、セッション(Session)層に相当する部分は規定されていません。これは、規定がないということではなく、これらの階層はERP2では使われないという意味です。
この階層構造は、以降に予定しているデータ構造の説明にも関連しますので確認しておいてください。
ERPの電気的仕様
ERP2の基本的な電気的仕様を示します。
変調方式はFSKであり、データレートは125kbpsとなっています。また、無線周波数帯域は複数が用意されていますが、日本に向けには日本の電波法に則り928.35MHzとなります。
これらの電気的仕様で、前出のプロトコルスタックに従って送受信を行います。
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基礎編
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EnOcean電池不要の無線モジュール ー概要ー
- スイッチモジュール : PTM210J
- スイッチ用発電モジュール : ECO 200
- スイッチ用送信モジュール : PTM 430J
- マグネットコンタクトモジュール : STM 429J
- 温度センサモジュール : STM 431J
- 湿度センサモジュール : HSM 100
- モジュール用ケースおよびケース付きモジュール
- 受送信モジュール : USB 400J
- 送信モジュール : STM 400J
- 送受信モジュール : TCM 410J
- EnOcean開発キット : EDK 400J
- ゲートウェイ開発キット : CS-A420W-ENOCEAN
- 送受信モジュール : CS35A3
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