EnOcean|基礎編

スイッチ用送信モジュール : PTM 430J

2017.02.28

この記事のポイント

・スイッチ用送信モジュール:PTM 430Jは基本的に発電モジュールECO 200と組み合わせて使う。

・928MHz帯を利用する無線機で技適認証取得済み。

・PTM 430J+ECO 200はスイッチモジュール:PTM 210Jと同等であり実装の自由度が高い。

今回はスイッチ用送信モジュール:PTM 430Jについて説明します。前回説明したスイッチ用発電モジュール:ECO 200と組み合わせて使います。

スイッチ用送信モジュール:PTM 430J

PTM 430Jは、電池を要せずにスイッチに無線機能をもたせることが可能なスイッチ用送信モジュールです。基本的に、前回説明した電磁誘導型のスイッチ用発電モジュール:ECO 200と組み合わせて使うために最適化された無線送信モジュールです。ECO 200から供給されるわずかなパルス状の電力を、搭載している無線ICを動作させる電力に変換し、同時にそのパルスをトリガとして32bitのIDデータを含んだ無線信号を送信します。また、他から同等のパルスを供給することができれば、ECO 200以外でも動作させることが可能です。

PTM 430Jは日本国内向けで、特定小電力/Sub-GHz帯の928MHz帯無線を利用します。技適認証取得済み(技適番号:003-130247)ですので安心して使うことができます。

PTM 430Jは、整流回路、パルス極性検出回路、マイコン、無線回路で構成されています。ECO 200と組み合わせることによって、以前説明したスイッチモジュール:PTM 210Jと同等の機能、構成になります。PTM 210Jはスイッチボックスなど既存の筐体やスペースに、そのまま組み込むことを想定したスイッチモジュールです。それに対してPTM 430JとECO 200の組み合わせは自由度が高く、PTM 210Jでは実装寸法やスペースの制約を受けてしまう場合や、エネルギーボウの押し下げ動作に掛かる力にアプリケーションが耐えられないような場合に有用です。

主な用途は、バス降車ボタン、ナースコールボタン、工業用リミットスイッチなどで、ビルおよび産業機器オートメーションの小型スイッチやセンサに応用されています。

右の図は、ECO 200(右)とPTM 430J(左)の接続を示しています。ECO 200で生成されるエネルギーは、2箇所のスプリング接点に発生します。PTM 430Jには、ECO 200のスプリング接点がちょうど当たる位置に接点端子が設けられており、半田付けをすることなく両者を接続することが可能です。また、PTM 430Jのアンテナの向きとECO 200のリーフ・スプリング(レバー)の位置に応じて、2通りの配置の組み合わせ(実線の場合と点線の場合)で接続できる仕様になっています。

PTM 430Jに関する情報の入手先(リンク先から資料をダウンロードできます)

次回は、センサ類の説明を予定しています。

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