EnOcean|基礎編

EnOceanとは

2016.07.25

この記事のポイント

・EnOceanは、EnOcean社がもつエネルギーハーベスティング無線通信技術でISO/IEC 14543-3-10 国際標準規格の通信。

・EnOceanアライアンスには、EnOceanソリューションを理解できる実例や情報が沢山ある。

これから、EnOceanの無線通信技術に関して話を進めていくわけですが、その前にEnOceanについて簡単に説明します。

EnOceanとEnOcean社

ご存じの方には今さらかも知れませんが、EnOceanはエンオーシャンと読み、エネルギーハーベスティング無線通信技術のことを指し、また、この技術を開発し基本特許をもつ会社の名称です。会社はドイツのミュンヘン近郊に本社があり、正式名称は「EnOcean GmbH」です。

本題とは関係ないのですが、ドイツの会社名の後に「GmbH」という文字がついているのを見ることがあると思います。これは、ドイツにおける有限責任会社(有限会社)の略で、「ゲーエムベーハー」と読みます。日本では、有限会社(現在は廃止)というと小規模なイメージがありますが、ドイツでは大企業でもGmbHであることが多いです。ちなみに株式会社はAG(アーゲー)になります。

EnOcean社は、2001年に同じくドイツのシーメンス社(Siemens AG)の中央研究所でエネルギーハーベスティング研究開発メンバーが独立して設立された会社です。エネルギーハーベスティングによる発電技術と超低消費無線通信技術に関する基本特許および関連特許をもち、電源不要の無線センサソリューションを提供しています。ビル設備や産業設備用、またスマートホームやIoTを主要なアプリケーションとしています。

実際、EnOceanは、すでに世界中のオフィスビルや産業機器、オートメーション他、様々な分野、アプリケーションで利用されています。EnOceanのスイッチやセンサモジュールは10年以上の実績があります。また、EnOceanのホームページには、自動化システムやネットワークを中心に世界中で150以上のメーカーに採用されており、無線通信コンポーネントは20万棟以上の建物に導入されていることが示されています。

EnOcean社

  • 独シーメンス社から2001年に独立(本社:ドイツ-ミュンヘン)
  • エネルギーハーベスティングデバイス/モジュールの開発、製造、販売を業務とする
  • 世界に先駆けた極小エネルギーによる無線通信技術である、エネルギーハーベストによる無線通信「EnOcean通信」を確立
  • EnOcean通信はISO/IEC 14543-3-10 国際標準規格の通信
EnOcean

EnOceanアライアンス

もう一つ知っておいてほしいのは、EnOceanのエネルギーハーベスティング無線センサ技術をビルの省エネ化、セキュリティおよび快適性向上のためのソリューションとして推進するためにEnOceanアライアンスが設立されていることです。

世界の関連企業が集まり、2008年に設立されています。当アライアンスの目的は、EnOcean無線通信技術の国際標準化の推進、OEMメーカー間の製品互換性を確保することです。

EnOceanアライアンスには、3種類の会員クラスがあります。

  • ・プロモーター: アライアンスを先導、統率、推進していく革新的なキープレーヤ
  • ・正会員: アライアンス技術を使用し製品やサービスを提供する企業、メーカー
  • ・準会員: 建物の専門家、学術関係者、小規模代理店の他、製品開発や技術トレーニングに関心のある企業

(出展:EnOceanアライアンスのホームページ)

EnOceanアライアンス

プロモーターは現在7社あり、EnOcean社はそのうちの1社です。また、ロームは正会員として、EnOceanを推進しています。

EnOceanアライアンスは、ホームページから多くの採用事例やソリューションを提供していますので、これからEnOceanに取り組む方はもちろん、EnOceanの技術に興味がある方は是非訪問してみてください。EnOceanで何ができるのかがよく分かると思います。

【資料ダウンロード】無線通信セミナー EnOcean 基礎編

ローム主催セミナーの配布資料です。 エナジーハーベストによる電池不要の無線通信とセンサソリューションを提供するEnOceanに関する基本情報と基礎知識、スイッチモジュールおよびセンサモジュール製品群の説明です。

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