Sub-GHz無線|基礎編
無線設計のポイント:調整、測定時-VCOの調整
2018.04.10
この記事のポイント
・VCO発振周波数の調整は、LSIのキャリブレーション機能を使う。
・キャリブレーション機能を使っても正しく調整できない場合は、外付け部品の定数を変更する必要がある。
・調整が正しく終了しない場合、一般的にはPLLアンロックが発生し、受送信ができない可能性がある。
前回の「調整、測定時」のポイントの補足として、VCOの調整について説明します。
無線設計のポイント:調整、測定時-VCOの調整
前回、「各測定を開始する前に確認および調整しておく基本項目」の1つとして、「VCO発振周波数の調整」を挙げました。VCO(Voltage Control Oscillator)は、発振周波数範囲を決める役割があり、VCOが正しく調整されていないと送受信ができなくなります。
以下は、回路図における調整部分と、ブロック図の該当部分です。端子でいうと、#28:IND1、#30:IND2のVCOタンク インダクタ接続端子です。
VCOの発振周波数は、次の式で決まります。
LSIはキャリブレーション(調整)機能を備えており、発振可能な周波数範囲内のある周波数で発振させるための容量値を決める操作が行われます。このキャリブレーション機能によって調整が正しく終了できない(内部容量で調整しきれない)場合、外部回路の定数を変更して調整が正しく終了できるようにする必要があります。
調整が正しく終了しない状態で送受信動作を行うと、一般的にはPLLアンロックが発生します。逆に、PLLアンロックが生じる場合は、VCOが正しく調整できているかを確認する必要があります。
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Sub-GHz無線はM2MやIoT、ワイヤレスセンサネットワークなどの新市場をはじめ、幅広い分野での活用が検討されています。このハンドブックは、Sub-GHz無線の活用から機器開発の基礎までを解説しています。
Sub-GHz無線
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基礎編
- Sub-GHz無線の概要
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Sub-GHz無線開発の基礎知識
- 無線特性の用語:搬送波周波数と周波数精度
- 無線特性の用語:送信パワーと隣接チャネル漏洩電力
- 無線特性の用語:占有帯域幅
- 無線特性の用語:スプリアス
- 無線特性の用語:受信感度と選択度
- 無線特性の用語:ブロッキングとスプリアス応答
- 無線特性の用語 : まとめ
- 無線設計ガイダンス:設計の手順
- 無線設計ガイダンス:無線方式の選択
- 無線設計ガイダンス:無線デバイスの選択
- 無線設計ガイダンス:ネットワークトポロジーの検討
- 無線設計ガイダンス:無線デバイスの仕様および動作確認
- 無線設計ガイダンス:ハードウェアの検討
- 無線設計ガイダンス:ソフトウェアの検討
- 無線設計ガイダンス:評価の検討
- 無線設計ガイダンス : まとめ
- 無線設計のポイント:回路設計
- 無線設計のポイント:基板(PCB)設計
- 無線設計のポイント:調整、測定時
- 無線設計のポイント:調整、測定時-VCOの調整
- 無線設計のポイント:調整、測定時-マッチング調整
- 無線設計のポイント:調整、測定時-スプリアス調整、その他の調整
- 通信フォーマット:通信レイヤとは
- 通信フォーマット:物理層(PHY層)のフレームとは
- 通信フォーマット:データリンク層(MAC層)のフレームとは
- 通信フォーマット:ネットワーク層とアドホックネットワーク
- 干渉回避の手法:キャリアセンス
- 無線システム検討へのヒント
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Sub-GHz無線の概要 ーまとめー
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