Sub-GHz無線|基礎編
無線設計のポイント:基板(PCB)設計
2018.02.13
この記事のポイント
・無線回路は、μVオーダーの極小信号を取り扱うので基板(PCB)レイアウトは非常の重要。
・グランド(GND)は極力強化する。
前回は、無線通信LSIによる設計における「回路設計」に関するポイントを説明しました。今回は「基板(PCB)設計」のポイントについてです。
無線設計のポイント:基板(PCB)設計
無線回路は、μVオーダーの極小信号を取り扱います。したがって、実装基板(PCB)のレイアウトは非常の重要で、無線性能に大きく影響を及ぼします。最初に、押さえるべきポイントをまとめて示します。
- ・グランド(GND)は極力強化する
- -特にQFNパッケージの裏面GND配線には、ビアをできるだけ配置してGND強化することが必要
- ・VCO、ループフィルタ回路は特に最短で配線を引く
- -回路周辺をGNDで囲むと良い
- ・RFの配線の下層に他の配線は引かないようする
- -特に受信系の配線の下層は厳禁
- ・配線を曲げる時には、直角ではなく角度をつけて曲げる
- -高速に信号が切り替わるようなラインを直角に曲げると、曲げたところでスプリアスが発生しやすくなる
- ・RFのマッチング配線は、50Ωのインピーダンスラインを使う
- -50Ωラインは大抵太くなり、CやLのパッドサイズより大きくなる場合は、パッドと50Ωラインが滑らかにつながるよう配線に角度をつけてつなげる
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- 送信:位相雑音の劣化による帯域外発射やACPの劣化
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- 受信:受信感度、スプリアス応答、RSSI最小検出レベルの劣化
グランドと50Ωラインについて補足をします。
グランドの強化
ほとんどの電子回路設計において、GND配線の取り方や面積は重要検討事項です。無線の信号は非常に微弱なことから、GNDが十分でないと次のような問題が起こります。
QFNパッケージのように裏面のパッドがGNDになっているパッケージでは、そのGNDを強化する必要があります。以下に例を示します。
50Ωライン
前述したように50Ωラインは大抵太くなり、コンデンサなどのパッドサイズより大きくなる場合があります。その場合は、パッドと50Ωラインが滑らかにつながるようパターンに角度をつけて接続します。以下の図を参照してください。
50Ωラインの計算については、AppCAD(フリーソフト)のような計算ソフトがあります。基板材質(誘電率)、層厚、線厚、使用周波数を指定すると計算できます。
【資料ダウンロード】Sub-GHz無線開発基礎
Sub-GHz無線はM2MやIoT、ワイヤレスセンサネットワークなどの新市場をはじめ、幅広い分野での活用が検討されています。このハンドブックは、Sub-GHz無線の活用から機器開発の基礎までを解説しています。
Sub-GHz無線
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基礎編
- Sub-GHz無線の概要
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Sub-GHz無線開発の基礎知識
- 無線特性の用語:搬送波周波数と周波数精度
- 無線特性の用語:送信パワーと隣接チャネル漏洩電力
- 無線特性の用語:占有帯域幅
- 無線特性の用語:スプリアス
- 無線特性の用語:受信感度と選択度
- 無線特性の用語:ブロッキングとスプリアス応答
- 無線特性の用語 : まとめ
- 無線設計ガイダンス:設計の手順
- 無線設計ガイダンス:無線方式の選択
- 無線設計ガイダンス:無線デバイスの選択
- 無線設計ガイダンス:ネットワークトポロジーの検討
- 無線設計ガイダンス:無線デバイスの仕様および動作確認
- 無線設計ガイダンス:ハードウェアの検討
- 無線設計ガイダンス:ソフトウェアの検討
- 無線設計ガイダンス:評価の検討
- 無線設計ガイダンス : まとめ
- 無線設計のポイント:回路設計
- 無線設計のポイント:基板(PCB)設計
- 無線設計のポイント:調整、測定時
- 無線設計のポイント:調整、測定時-VCOの調整
- 無線設計のポイント:調整、測定時-マッチング調整
- 無線設計のポイント:調整、測定時-スプリアス調整、その他の調整
- 通信フォーマット:通信レイヤとは
- 通信フォーマット:物理層(PHY層)のフレームとは
- 通信フォーマット:データリンク層(MAC層)のフレームとは
- 通信フォーマット:ネットワーク層とアドホックネットワーク
- 干渉回避の手法:キャリアセンス
- 無線システム検討へのヒント
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Sub-GHz無線の概要 ーまとめー
- 製品紹介