Bluetooth®|基礎編

iBeaconとは

2018.03.13

この記事のポイント

・iBeaconはApple社の商標で、Bluetooth low energyを利用したiOSの近接通知機能。

・iOS7から搭載された機能でGPSが苦手としている屋内での測位が可能。

・iOSデバイスのアプリは取得したビーコンのID情報をインターネット経由でサーバに問い合わせ、サーバが指定された情報を配信しアプリに表示させるといった利用方法がある。

今回は、iBeaconについて説明します。iBeaconはBluetooth low energyを利用している技術であることを知っておいてください。

iBeaconとは

iBeacon(アイビーコン)はApple社の商標で、Bluetooth low energyのブロードキャスト通信を利用したiOSの近接通知機能です。iOS7から搭載された機能で、GPSが苦手としている屋内での測位が可能です。ある領域への出入り、ビルの何階にいるかなどを簡単に検知できます。

iBeaconの仕組み

iBeaconは、ビーコン端末、アプリケーション(iPhoneなどの)、インターネット上のサーバがセットになります。

ビーコン端末がIDなどの情報を一定の時間間隔でBluetooth low energyに基づいたアドバタイズを行います。

iBeaconの仕組み

iPhoneなどのiOSデバイスがビーコンのアドバタイズを受信できる範囲に入ると、iOSがID情報を検出して対応アプリを起動します。ただしアプリは、紐付けされたIDにのみ反応します。

アプリは取得したビーコンのID情報をインターネット経由でサーバに問い合わせ、サーバが指定された情報を配信しアプリに表示させます。

iBeaconのアドバタイズ

ビーコン端末はアドバタイズパケットを発信します。アドバタイズパケットには、個体を識別するためのUUID、Major値、Minor値、TxPower値などが含まれており、これはBluetooth low energyの標準フォーマットに準拠しています。

Bluetooth low energyのフォーマットに則ったiBeaconのアドバタイズパケット

UUIDは固有の識別子です。ビーコンを特定の種類、または特定の組織のものとして特定します。

Major値は、同一のUUIDをもつビーコン端末をグループ分けするために使うことができます。Minor値は同一のUUIDとMajor値をもつビーコン端末を区別するために使うことができます。

例えば、ショッピングモールの建物にビーコン端末を設置する場合、UUIDはすべて同じ、階ごとに違うMajor値、そして店舗ごとに違うMinor値を設置することで、ビーコン信号から建物、階数、店舗が特定できるといった使い方ができます。

TxPowerは、RSSI(信号強度)値です。これはビーコンにプログラムされた値で、信号の強さに基づいてビーコン端末とiOSデバイス間の距離を求めるために使われます。この距離測定は最大で数mの誤差をもつ場合があると言われており、iBeaconではFar:およそ10m以上、Near:数m以内、Immediate:およそ1m以内といった3つの距離グループを設定し、大体の距離を提供するものになっています。