Bluetooth®|基礎編

Bluetooth® v4でつながるアプリケーション

2016.08.30

この記事のポイント

・Bluetooth v4は、ウェアラブル機器などとスマートフォンをつなげる無線技術として注目されている。

・プッシュ型広告など、Bluetooth v4を利用した新しいアプリケーションの開発が進んでいる。

Bluetooth v4とアプリケーション

現状においてBluetooth v4が使われている代表的なアプリケーションは、ヘルスケア、フィットネス、ミュージック、スマートウォッチなどだと思います。

ヘルスケアの例では、体重計や体温計が取得したデータをBluetooth v4を使ってスマートフォンに送り、スマホアプリがクラウドを利用して情報管理や分析を行います。

フィットネス系はウェアラブル端末と呼ばれます。ヘルスケアと似たようなイメージで、心拍数や血圧などのバイタルデータ(生体情報)を取得して管理することができます。

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アプリケーションの形態としてポイントになるのは、このような機器がスマートフォンやタブレットと通信することです。とにかく、スマートフォンにつながってしまえば、あとはインターネットを経由してデータをクラウドに送ることができます。そのための通信手段として、今、Bluetooth v4が注目されています。

その理由の一つは、Bluetooth v4がメジャーなOSすべて採用されたことです。2011年にiOS5(iPhone4S)で採用され、その後2012年にWindows 8、そして2013年にはAndroid 4.3に採用されました。これによって、「ウェアラブル端末とスマートフォンを接続する通信技術はBluetooth v4だ」といった気運が高まりました。

同じく2013年にiOS7にも搭載されたことから、つながる端末が増えたのと同時にあたらな可能性が広がりました。iOS7ではiBeacon、一般的にはビーコンと呼ばれる新しいプッシュ型広告の形態が提案されました。例えば、スマートフォンをもった人がお店に近づくと、そのお店の情報やクーポンなどが送られてくるといったものです。まだ、それほど広く普及はしていませんが、Bluetooth v4を使った新しいアプリケーションの一つと言えます。

また、ビーコンを利用した他のアプリケーションとして、GPSの電波が届かない屋内で、GPSの代わりに位置情報を提供するといったことや、逆に人の居場所や滞在時間を確認するといった使い方が検討されています。

ここでは、Bluetooth v4の特徴を理解して、どんなアプリケーションで利用できるか、またBluetooth v4があることによって新たにできることのアイデアが浮かぶよう、まずはBluetooth v4の現状を確認しました。前回の規格の説明時にも話しましたが、Bluetooth v4自体がIoTと直接的なインターネット接続を強く意識した仕様に向かっています。そうなると、先に説明したスマートフォンとの接続ということが必要なくなるかもしれません。このように、流動的なことも多いのですが、Bluetooth v4はもちろん、他の近距離無線もその重要性はどんどん高まっています。最後に、近距離無線のアプリケーション例をまとめた表を示します。今後、こういった例の枠にとらわれない様々な新しいアプリケーションもでてくるのだと思います。

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