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BD9V100MUF-C:業界最高降圧比を達成したDC/DCコンバータ

ローム独自の
Nano Pulse Control®を搭載

注目ワード
  • BD9V100MUF-C
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  • 60V
  • 2ステップ降圧を1ステップ降圧に
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ロームは、2MHzスイッチングで業界最高の降圧比を達成したDC/DCコンバータIC「BD9V100MUF-C」のサンプル出荷を2017年6月から開始しており、2017年12月に量産体制に入ることを発表しました。

BD9V100MUF-Cは、2016年のCEATECをはじめとした展示会などでエンジニアサンプルでのデモが行われ、すでに開発が行われていることはアナウンスされていました。非常に注目度が高かったこともあり、Tech WebではすぐにTECH INFOの「エンジニアに直接聞く」で取り上げ、「48Vから3.3Vに直接降圧可能なDC/DCコンバータIC」と題し、「Part 1:48Vから3.3Vに直接降圧はできない?」と「Part 2:48Vハイブリッドシステムの電源をシンプルにして損失を減らす」の2本の記事をアップしました。

この記事では、正式リリースとなったBD9V100MUF-Cの仕様と特長を確認したいと思います。上記の記事に記した基本的な機能や特長に概ね変更はありませんが、当時、仕様や規格値は暫定であったため若干の変更があります。データシートも初版がリリースされていますので、詳細につきましては必ずデータシートを参照してください。

ローム独自の最先端電源技術Nano Pulse Control®

Nano Pulse Control®は、ロームの「回路設計」、「レイアウト」、「プロセス」の3つの先端アナログ技術を融合することで実現した超高速パルス制御技術です。マイルドハイブリッド自動車や産業用ロボット、基地局のサブ電源など、48V系電源システムの簡略化、そして、同アプリケーションの小型化に貢献する最先端電源技術です。

新製品「BD9V100MUF-C」は、超高速パルス制御回路、最適化パターンレイアウト、高耐圧BiCDMOSプロセスからなる、Nano Pulse Controlを搭載しています。Nano Pulse Controlによって、電源ICにおける世界最小*のスイッチオン時間9ns(typ)で安定した制御を可能にしたことで、最大2.3MHzの高速スイッチングと業界最高の24:1の降圧比を実現しています。*2017年7月27日現在 ローム調べ

Nano Pulse Controlがもたらすメリット

1) 従来の2ステップ降圧構成が1ステップで可能になり、電源回路の実装面積を50%以上削減可能

BD9V100MUF-Cの最小オン時間は9ns(typ)、20ns(max)です。この最小オン時間は、Nano Pulse Control技術により安定しているので、例えば2MHzのスイッチング周波数で、最大60Vから最小2.5Vに直接降圧が可能です。下の波形図は、スイッチング周波数2.1MHz、60V入力、3.3V出力の条件時の実測です。この条件でのオン時間は、2.1MHz-1×(3.3V÷60V)≒26.2nsです。何よりも、この時間の短いパルスが非常にきれいで安定していることに着目していただければと思います。当然ながら、出力もきれいに降圧安定化されています。

P-14_graf01

従来のほとんどの高耐圧降圧DC/DCコンバータICは、このレベルの制御がままならなかったことから、60V、48Vといった高電圧からの降圧には、2ステップ、例えば、まず60Vから12Vに降圧し、その12Vから3.3Vや2.5Vを作る方法が取られています。もちろん、スイッチング周波数を低くすれば対応可能なのですが、車載アプリケーションにおいてはAMラジオへの干渉を避けるため、スイッチング電源のスイッチング周波数を2MHz以上に設定するのが一般的になっています。

2ステップ降圧を1ステップにできることのメリットは明白で、電源回路が2回路から1回路になるので、単純には電源回路の実装面積が半分になります。

P-14_graf02

2) 高速なスイッチング周波数により小型の外付け部品が使えることで実装面積を約60%削減

先にも説明したようにBD9V100MUF-Cは、例えば2MHzのスイッチング周波数で、60Vや48Vから3.3Vや2.5Vへの降圧が可能です。スイッチング電源に必要な外付け部品であるインダクタやコンデンサは、スイッチング周波数が高くとなると単純に必要なインダクタンスや静電容量が小さくなります。これは、同時に部品サイズも小さくなることを意味しており、したがって、スイッチング周波数を高めることで回路の実装面積を小さくすることができます。

下の図は、スイッチング周波数が300kHzと2MHzの比較例です。実装面積は6mm2から2.4mm2になり、約60%の削減となっています。

P-14_graf03

BD9V100MUF-C 主要スペック(詳細はリンクからデータシートをご利用願います)

品番 入力電圧範囲 出力電圧 出力電圧精度 動作周波数 最大出力電流 動作温度範囲
BD9V100MUF-C 16V~60V 0.8V~5.5V ±2% 1.9~2.3MHz 1A (Max.) -40℃~125℃

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